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「媚びてまで出世したくない」プライドが高い夫。だが、妻が家庭の現実を突きつけた結果

「媚びてまで出世したくない」プライドが高い夫。だが、妻が家庭の現実を突きつけた結果
「媚びたくない」が口癖の夫
夫はいい年齢なのに、役職のつかない平社員のままだ。
本人はそれを恥じるどころか、むしろ誇らしげに語る。
「媚びてまで出世したくない」
飲み会の誘いも、上司への根回しも、全部そうやって断ってきたらしい。
聞こえはいい。
でも、その言葉の裏で家計が静かに削られていることに、夫はまるで気づいていなかった。
昇進した同期の話をすると、決まってこう返してくる。
「あいつは上に気に入られただけ。実力じゃない」
私はその都度、笑って受け流してきた。
けれど内心では、毎月の通帳残高とにらめっこしながら、ため息を飲み込んでいたのだ。
子どもが習い事をやりたいと言い出しても、家計を思うと即答できなかった。
私はパートのシフトを増やし、自分の服はもう何年も買っていない。それでも夫は「贅沢さえしなければ大丈夫だろ」と、どこか他人事のようだった。
家計簿を広げた食卓で
ある夜、夕食のあと、私は一年分の家計簿を食卓に広げた。
「これ、見てほしいの」
夫は面倒くさそうにページをめくり、途中で手を止めた。
赤いペンで囲んだ数字が、毎月きれいに並んでいる。
「毎月3万の赤字は誰が払うの」
夫の口が、半分開いたまま止まった。
「……いや、そんなに使ってないだろ」
「使ってないよ。収入が足りてないの。この一年で、貯金が40万も減ってる」
「来年には車の買い替えもある。今のままだと、貯金はあと数年でなくなるよ」
夫は数字の列を上から下まで何度も目で追い、それから小さく咳払いをした。反論の言葉を探しているのが分かった。けれど、赤字の数字は一つも動かない。
夫の指先が、テーブルの上で所在なげに止まる。いつもの自信たっぷりな声は、どこからも出てこない。額には、うっすらと汗がにじんでいた。
「媚びたくないのは分かった。でも、そのプライドの分を払ってるのは、私と子どもなの」
夫はしばらく黙り込み、やがて絞り出すように言った。
「……知らなかった。ここまでとは」
その声には、いつもの言い訳がましさがなかった。ただ、目の前に並んだ数字に、静かに打ちのめされている顔だった。
翌週、夫は資格の参考書を買ってきた。媚びるのではなく、実力で評価される道を探すのだと言って。食卓には、家計簿と並んで勉強のノートが置かれるようになった。
あの夜、私が突きつけたのは嫌味でも責めでもなく、ただの数字だった。それでも、どんな説教より効いたらしい。今では夫のほうから、毎月の残高を確認してくるようになった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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