Share
「一生私の前に現れないで!」3年付き合った彼氏を奪った妹。だが、妹の最悪な言い訳に絶縁を決意

写っていた手
金曜の夜、彼氏から短いメッセージが届いた。三年付き合った、同い年の人だった。
「急に仕事が入った。今日のデート、また今度な」
仕方ないと返信して、なんとなくスマホをいじっていた。
妹の鍵付きのアカウントに、新しい写真が上がっていた。
「大好きな人と秘密のドライブ」
添えられた一枚に、ハンドルを握る男性の手が写っていた。
手首のほくろと、文字盤の欠けた時計。それは、何度も隣で見てきた彼の手そのものだった。
血の気が、足元からすっと引いていった。仕事だと言った夜に、私の妹を助手席に乗せている。二人がいつから、という疑問だけが頭の中でぐるぐる回った。
ファミレスの席
週末、私は二人を同じファミレスに呼び出した。事情を知らない顔で、向かいの席に並んで座った彼と妹。
注文が来る前に、私はあの写真を表示したスマホを、テーブルの真ん中に置いた。
「これ、どういうこと」
彼の顔が、みるみる強張っていく。
妹は一瞬目を見開いたあと、開き直ったように口を尖らせた。
「お前が最近、冷たかったから。寂しくて、つい」
彼は私と目を合わせないまま、言い訳を絞り出した。三年の時間を「つい」の二文字で片づけられて、もう怒りも湧かなかった。
妹はあろうことか、姉である私を諭すような口ぶりで言い放った。
「お姉ちゃんにはいい人がいるよ」
その瞬間、隣のテーブルの客が、ぎょっとしたようにこちらを見た。妹は周囲の視線に気づき、言葉の続きを飲み込んで黙った。
切った縁
私は震える手を、テーブルの下でぎゅっと握った。それから、できるだけ静かな声で告げた。
「二人とも、もういい」
「一生私の前に現れないで」
彼が何か言いかけて、すぐにうつむいた。妹は反論しようと口を開いたが、私の目を見て、結局そのまま視線を逸らした。
二人とも、店を出るまで一言も発しなかった。
後日、共通の友人たちに、何があったかをそのまま伝えた。姉の恋人を奪った妹と、それに乗った男。事実を知った友人たちの態度は、はっきりと変わった。
「さすがにそれは、ないわ」
居場所を失った二人は、ほどなく別れたと聞いた。秘密のドライブを自慢していた妹の鍵アカウントは、いつのまにか消えていた。
母づてに、妹が一度だけ謝りたいと言っていると聞いた。けれど私の答えは変わらなかった。あの席で告げた一言が、私の出した結論のすべてだった。
私は妹とも彼とも、それきり連絡を取っていない。失ったものは大きかったけれど、噓をつく相手を背負って生きるよりずっと身軽だった。電車の窓から流れる景色を見ながら、肩の荷が一つ下りたのを感じた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


