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「これからお義母さんの世話をするつもりはありません」息子を亡くした叔母。同居を続ける元義理の娘の言葉に絶句

息子を亡くしてから、家の空気が変わった
叔母には、ひとり息子がいた。
息子は結婚してからも叔母と同じ家で暮らし、その妻も一緒だった。
三人で長く生活してきた家だ。
その息子が、叔母より先に亡くなった。
私は叔母の姪で、少し離れたところから事情を聞いているだけの立場だ。何かを決める権利もないし、家庭の中に入り込めるわけでもない。ただ、叔母から電話が来るたびに話を聞いていた。
息子にはすでに独立した子どもがいたため、叔母自身が相続の当事者ではないことは分かっていたという。
それでも、長年同じ家で暮らしてきた息子が亡くなったあと、何がどうなったのかほとんど説明されないことに、叔母は戸惑っていた。
通帳や保険などの手続きについて尋ねても、息子の妻から返ってくるのは短い言葉だけだった。
「こちらで手続きしていますので、大丈夫です」
叔母も、遺産を自分によこしてほしいと言っているわけではなかった。
ただ、息子が亡くなったあとに何が整理され、これから家でどう暮らしていくのかくらいは話してほしかったのだという。
ところが、尋ねるほど会話はぎこちなくなっていった。
「もう済んだことですから」
叔母は電話口で、その言葉をそのまま私に繰り返した。
怒っているというより、疲れ切った声だった。
「同じ家にいるのに、何も分からないのよ」
その言葉が、妙に耳に残った。
姻族関係を終えても、同居だけは続いた
その後、叔母と息子の妻は大きな言い争いになった。
積もっていたものがお互いにあったのだと思う。最後に妻は、叔母へこう言ったという。
「これからお義母さんの世話をするつもりはありません」
しばらくして、妻は亡くなった夫の家族との姻族関係を終了させる手続きを取った。
叔母も、そのこと自体について責めるつもりはなかった。
「もうお互いに自分の人生を生きたほうがいいのかもしれないね」
親戚の間では、妻も近いうちに家を出るのだろうという話になった。
ところが、暮らしは変わらなかった。
妻は「すぐに移れるところがない」と話し、そのまま叔母の家で生活を続けた。荷物も部屋もそのまま。台所も風呂も、以前と同じように使っているという。
同居そのものについては、叔母もすぐに追い出そうとはしなかった。
長く家族として暮らしてきた相手だ。住む場所が決まるまでなら、と考えたそうだ。
けれど、ある日のことだった。
妻が叔母のところへ書類を持ってきた。
「この土地の名義について相談してきたんです。手続きを進めるなら、ここに署名をお願いしたいんですけど」
叔母は驚いた。
家が建っている土地は、もともと叔母の名義だったからだ。
誰かに譲ると決めた覚えもなければ、名義を変えたいと相談したこともない。
「どういうことなの?」
そう尋ねても、妻は「今後のことを考えて」と繰り返すばかりだったという。
叔母はその場で署名せず、書類も預からなかった。
その日の夜、私のところに電話が来た。
「私の土地なのに、私が知らないところで相談までされていたみたいなの」
叔母が戸惑っていたのは、土地をどうするか以前の問題だった。
話し合いもないまま物事が進み、最後になって書類だけを差し出される。その状態が、息子を亡くしてからずっと続いていたからだ。
私は叔母に、分からない書類にはその場で署名せず、自分でも内容を確認してから決めたほうがいいと伝えた。
今後、その家をどうするのか。妻がいつまで暮らすのか。土地について何を望んでいるのか。
本来なら、一つずつ話し合わなければならないことなのだと思う。
関係を終わらせる手続きをしたからといって、それまで積み重なった問題まで自動的になくなるわけではない。
叔母の家では今も、同じ屋根の下で二人の暮らしが続いている。
「今度こそ、分からないままにはしたくない」
先日の電話で叔母は、静かにそう話していた。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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