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「その話、今日じゃなくても」三回忌の会食で土地の名義を語り出した親戚に、誰も口を挟めなかった理由

穏やかだった会食の空気が変わった
3年ほど前、親戚の三回忌に出席したときのことです。
法要を終えたあと、親族20人ほどで食事を囲みました。久しぶりに顔を合わせる人も多く、最初は故人の思い出や、それぞれの近況について穏やかに話していました。
「昔はよく、ここにみんな集まったよね」
そんな声に笑いが起こり、落ち着いた時間が流れていました。
ところが、食事が始まってしばらくしたころです。遠方から来ていた50代の親戚の男性が、施主を務めていた故人の長男に向かって突然尋ねました。
「ところで、あの土地の名義はもう変えたのか?」
その一言で、近くにいた親族の会話が止まりました。
男性が聞いていたのは、故人の名義になっていた土地のことでした。長男は少し困ったような表情を浮かべながら答えます。
「まだ、家族で話しているところです」
私は、それで話題が終わるのだと思っていました。
しかし男性は、「早くしたほうがいいぞ」と続けたのです。
「今日じゃなくてもいいのに」と思った
「後回しにすると、あとで手続きが大変になるぞ」
男性は心配している様子で、土地の名義や相続について自分の考えを話し始めました。
長男は、ときどき「そうですね」と返しながら聞いています。
間違ったことを言っているわけではないのかもしれません。男性なりに、親族のことを心配していたのでしょう。
ただ、話が続くにつれて、周囲の空気は少しずつ重くなっていきました。
さっきまで故人の思い出を話していた人たちも、いつの間にか黙っています。誰かが別の話題を出そうとしても、男性の話はなかなか途切れませんでした。
私は心の中で、「その話は、今日じゃなくてもいいんじゃないかな」と思っていました。
三回忌は、故人を偲ぶために親族が集まった日です。
相続について話し合う必要があるとしても、せめて別の機会にできなかったのだろうかと感じました。
けれど、わざわざ遠方から来てくれた親戚でもあります。しかも本人は善意で話しているように見えました。その場で「今はその話をやめましょう」と言える人はいませんでした。
やがて男性の話がひと区切りつくと、誰かが静かに故人の昔話を始めました。
すると、少しずつ会話が戻っていきました。
それでも私は、食事をしながらどこか落ち着かない気持ちのままでした。
必要な話だからこそ、話す場所やタイミングも大切なのかもしれません。
今でも三回忌のことを思い出すと、あのとき誰も口にできなかった「今日じゃなくてもよかったのでは」という言葉が、ふと頭に浮かびます。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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