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「実はお母様にお貸ししていた金額が」結婚寸前に亡くなった義母の弔問客。香典と思った封筒の中身に絶句

「実はお母様にお貸ししていた金額が」結婚寸前に亡くなった義母の弔問客。香典と思った封筒の中身に絶句

挙式直前に届いた訃報

結婚式までもう一ヶ月を切った頃のことだった。婚約者の母、つまりこれから義母になるはずだった人が、急な体調の変化で他界した。

式の準備に追われていた私たちは、慌てて喪服に袖を通すことになった。

葬儀のあいだ、夫はぼんやりと祭壇を見つめたまま動かなかった。

私は親族でも嫁でもまだない、宙ぶらりんの立ち位置で、お焼香の列に並ぶ人々に小さく頭を下げ続けた。

何度頭を下げても気持ちはまったく整理できないまま、ひとまず葬儀は終わった。

白い封筒を持った男性の来訪

四十九日も終わらないうちに、自宅のチャイムが鳴った。玄関に立っていたのは、五十がらみの背の高い男性だった。

手には白い封筒。スーツ姿で深く頭を下げる様子から、私はてっきり遅れた弔問客だと思い込んだ。

香典をご持参くださったのだろう。

そう思って居間に通すと、男性はためらいながら口を開いた。

「実はお母様にお貸ししていた金額が…」

白い封筒の中身は、香典袋ではなかった。

義母直筆の署名と、月日と、金額の書かれた借用書だったのだ。夫の顔から血の気が引いていくのが、隣で見ていてもはっきり分かった。

新婚の食卓に乗った分割返済

男性が帰ったあと、夫はしばらく封筒を握りしめて動かなかった。

「これ、香典じゃなかったんだな」

絞り出すような一言に、私はうまく相づちが打てなかった。

義母の人柄に関しては、夫もよく知らない部分が多かったらしい。借入の話など、家族の誰一人として聞かされていなかった。

話し合いの末、夫が長男として責任を負い、私もそれを支える形で、夫婦の収入から月々分割して返していくことに決まった。

挙式の費用と並行して、見ず知らずの相手への返済表を作る新婚生活が始まった。

結婚式の写真を見返すたび、笑顔の自分の隣で、夫が少しだけ無理をしていた表情だったことに気づく。

義母を恨みたいわけではない。事情があったのかもしれない。

それでも、嫁ぐ前から始まった肩代わりは、結婚への高揚と一緒くたになって、長く胸の中でモヤモヤとくすぶり続けることになった。新婚の家計簿に並ぶ振込みの行を見るたび、結婚って本来こういう形ではなかったはずだ、と心の中で小さく呟いてしまう自分がいた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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