Share
「ここに座っていいですよ。どうぞどうぞ」遊園地でしつこく絡んでくる男。だが、スタッフに相談した結果

休日の行列で
よく晴れた休日、私は久しぶりに遊園地へ出かけました。
目当ては、いつも長い列ができる人気のアトラクションです。三十分ほど並ぶつもりで、列の最後尾につきました。
すると、すぐ隣に並んでいた中年の男性が、連れの女性と一緒に、通路の脇にレジャーシートを広げはじめたのです。
あたりを見回しても、そんなことをしている人は、ほかに一人もいません。
「ここに座っていいですよ。どうぞどうぞ」
男性は、にこにこと笑いながら、私に向かって広げたシートを指さしました。
見ず知らずの相手にいきなり座れと勧めてくる笑顔が、私にはどうにも不気味に思えました。
繰り返される誘い
私は「いえ、けっこうです」と、できるだけ穏やかに断りました。
それでも男性は、まるで聞いていないかのように、何度も同じ言葉を重ねてきます。
「まあまあ、そう言わずに。仲良くしましょうよ」
断っても断っても、笑顔で誘いを繰り返してくるのです。
列に並んでいるあいだじゅう、私は何かと話しかけられ、気の休まる暇がまるでありませんでした。
連れの方がすぐそばにいるのに、どうして見知らぬ私にこうも絡んでくるのか。
理由が分からないぶん、よけいに薄気味悪さがつのっていきます。
逃げ出したくても、前にも後ろにも人がびっしりと並んでいて、迂闊に列を離れることもできません。
私はうつむいたまま、早く順番が来てほしいと願うばかりでした。
キャストに頼んで
このままではいけない。
そう思った私は、近くを見回りしていた若いキャストに、そっと歩み寄りました。
周りに聞こえないよう、声を落として事情を伝えます。
「隣の方に、しつこく声をかけられて困っているんです」
キャストは表情を変えず、静かにうなずいてくれました。
そして、さりげなく私のそばへ立ち位置を移すと、列の誘導を装いながら、私を少し離れた場所へと案内してくれたのです。
「こちらへどうぞ。順番はそのままお進みいただけますので」
おかげで私は、あの男性からきれいに離れることができました。
キャストはそのあとも、それとなくこちらを気にかけ、見守ってくれていたようです。
怖い思いはしたけれど、一人で抱えこまず、頼れる人に頼ってよかった。
落ち着きを取り戻した私は、その日一日を、心から楽しんで過ごせたのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


