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「言い訳するな」理不尽に説教ばかりする上司。系列店の新規オープンに寝坊した上司の末路

キレ散らかす上司の正体
数年前に働いていた飲食店の話だ。直属の上司はとにかく関わりづらい人間で、自分がミスをしても絶対に謝らなかった。
それだけならまだしも、こっそり隠蔽することもあった。
そのくせ、部下が少しでも失敗しようものなら人が変わったように声を荒げた。
理由が明確なら多少は耐えられる。でも、説明もなく一方的に怒鳴られる日が続くと、出勤するたびに足が重くなった。
たとえばオーダーの取り間違いが起きたとき、自分が確認しなかったのに「なんで勝手に動いてるんだ」と詰めてくる。
反論しようものなら「言い訳するな」と畳み掛けてくる。話が通じない、と感じるのに時間はかからなかった。
ミスかどうかも関係なく、気分で当たられることもあった。何人もスタッフが辞めていく中で、自分も毎月ひとつひとつ日数を数えるような気持ちで働いていた。慣れるというより、麻痺していく感覚に近かった。
開店当日に上司が現れない
そんな日々が続いていたある月、系列店の新規オープンが決まった。
準備も大詰めを迎え、当日は全員早朝集合という流れになっていた。直属の上司も当然、その場に揃うはずだった。
開始時刻になっても、直属の上司が来ない。
最初は遅延かと思った。でも10分過ぎても、20分過ぎても現れない。そのとき同じ店にいた、さらに上の立場の別の上司が動いた。
連絡を入れると、ほどなく状況が明らかになった。
寝坊だった。
新店オープンの当日にである。
上の上司は電話口で低く、しかしはっきりと問い詰めた。
「で、なんでまだ来てないんですか」
遅れて到着した直属の上司は、上の立場の人間の前でこっぴどく怒られていた。
いつも威圧的な声で部下を怒鳴りつける人間が、今度は自分が叱られる側になっていた。謝る様子も、言い訳する余裕もなかった。ただじっと頭を下げていた。
周りのスタッフはそれぞれ作業を続けていたが、誰もがその光景を視界の端に収めていた。誰も口には出さなかったが、空気が少しだけ変わった気がした。
いつもなら、あの上司が怒鳴る側にいた。それが今日に限って、自分のミスで叱られている。ルールを守らなかったのは誰なのか、誰が謝るべきなのか、その場の全員がわかっていた。
正直、ラッキーだと思った。スカッとした、というより、静かに晴れた感覚に近かった。同僚と目が合ったとき、どちらからともなく小さく笑った。あの職場でそんなふうに笑えた朝は、ほとんどなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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