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「冷蔵庫の中も片づけておいたわ」留守中に家へ上がっていた義母→夫が静かに示した正論とは

扉を開けたら並びが違う
土曜の夕方、買い物袋を提げたまま冷蔵庫を開けて、手が止まりました。扉に立てていた調味料が、一本残らず並び替わっています。
「ねえ、ここ触った?」
「いや、俺は朝から出てたけど」
奥の棚では作り置きが見慣れない容器に移され、野菜室の袋も几帳面に畳み直されています。
玄関の鍵は、出るときに閉めています。合鍵を持っているのは義母だけでした。
その夜、義母から電話がありました。
「冷蔵庫の中も片づけておいたわ」
「……ありがとうございます。すみません」
受話器を置いてから、もう一度冷蔵庫を開けて、そのまま閉めました。
悪気がないと分かるから
義母は、会うたびに孫を抱き上げて「預かってあげるから、二人で出かけておいで」と言ってくれる人です。ありがたい申し出に、私はいつも同じ返事をしていました。
「大丈夫です、そちらまで連れて行きます」
食器を拭いていた夫が、布巾を置いてこちらを見ました。
「母さんに預けるの、嫌なんだろ」
「そうじゃなくて。……留守のうちに、いてほしくないの」
「片づけられるのが嫌なのか」
「片づけてもらうたびに、できていない人だと言われた気がして」
言ってしまってから、口をつぐみました。義母を悪く言ったようで、後味がよくありません。
「悪く言ってないよ。俺が話す。母さんは怒らないから」
夫が示した線引き
翌週の日曜、義母は煮物の鍋を抱えて来ました。玄関で靴を脱ぐより先に、夫が声をかけます。
「母さん、この前は冷蔵庫、ありがとう。助かったよ」
「いいのよ。あなたたち忙しいんだから」
義母が鍋を上がり框に置くのを待って、夫は続けました。
「一つだけ決めさせてほしいんだ。俺たちがいない間は、家に上がらないでほしい。片づけは自分たちでやる」
「……勝手だったわね。ごめんなさい」
「勝手じゃない。良かれと思ってくれたのは分かってる。ただ、家は俺たちの持ち場なんだ」
義母はしばらく黙ってから、はっきりうなずきました。
「そのかわり、預かるときはうちに連れておいで。うちなら、いくら散らかしても構わないから」
帰り際、義母は玄関で合鍵を出しかけて、手を止めます。
「これ、返したほうがいい?」
「持っててよ。何かあったときは頼るから」
翌月、子どもを預けたのは義実家でした。門の前で、義母は先に立って待っています。
「いらっしゃい。今日はうちで、思いきり散らかそうね」
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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