Share
「何をしに来たんだろう」父の葬儀に座っているだけで帰った義理の親戚→母の友人だけが必死に動いていた違和感

「何をしに来たんだろう」父の葬儀に座っているだけで帰った義理の親戚→母の友人だけが必死に動いていた違和感
父が亡くなった日、家に駆けつけてくれた母の友人たち
父が亡くなった、あの寒い朝のことです。
遺体を家に安置し、私は震える手で親戚に連絡を回し続けました。
慌ただしくお焼香台を整え、お茶の用意を始めようとしていたところに、最初に駆けつけてくれたのは、母の長年の友人たちでした。
友人達は、玄関に着くなり「貸して」と声をかけてくれます。
仕出しの手配、座布団の準備、お茶碗の用意、来客の応対。
母が泣き崩れて動けないのを察して、台所に立ってくれたり、近所の方々の対応を肩代わりしてくれたり。
本当に、その日の家の中を回していたのは、血のつながった親族ではなく、母の長い友人関係に支えられていた事実でした。
動いてくれている友人の方々の背中を見ながら、私は涙とは別の意味で胸がいっぱいになっていたのです。
居間に座っているだけで、そのうち帰った義理の親戚
お昼を過ぎた頃、玄関のチャイムが鳴りました。
立っていたのは、父の義理の母にあたる方と、その娘さんです。
父からすると異母兄妹の関係で、私から見ると遠い義理の親族にあたります。
「お悔やみ申し上げます」
義理の母にあたる方が、深々と頭を下げてくれました。
けれど、家に上がってからの二人は、玄関ホールから居間へ進み、座布団の上にすっと腰を下ろしただけ。
湯呑みを持ち上げる手は、ずっとお茶碗の縁を撫でているばかりです。
横では母の友人たちが、お盆を抱えて廊下を行き来しています。
仕出しの追加注文、近所の方の応対、お焼香に来てくれた人へのお茶出し。
けれど、義理の親戚の二人は、誰にも声をかけず、誰の手元にも気づかず、ただ居間の窓の外をぼんやり眺めていました。
「お手伝いしましょうか」のひと言も、ありません。
そしてお焼香だけ済ませると、二人は何かを呟くように小さく頭を下げ、玄関から静かに帰っていったのです。
玄関の引き戸が閉まり、廊下に静寂が戻ってから、私は誰にも聞こえない声でぽつりと呟きました。
「何をしに来たんだろう」
誰も口には出しませんでしたが、私の中で、その問いは消えずにずっと残り続けていました。
正直、いまとなってはもうお互い行き来もないので、どうでもいいのです。
ただ、あの日に台所と玄関を回してくれた母の友人たちのありがたさと、座っているだけで帰っていった義理の親戚との空気の差は、私の中で長く消えない違和感として残り続けています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
登場人物から探す
テーマ・シチュエーションから探す
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

