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「玄関前のすのこって、何かに使われるんですか?」隣の玄関前に置いてあった謎のすのこ。だが、隣人が語った使い方に思わず絶句

立てかけられた一枚のすのこ
アパートの1階に住みはじめて半年が経っていた。
隣の玄関横には、いつも一枚のすのこが壁に立てかけてある。木製の薄い板で、強い風が吹いた日には倒れてカタンと音を立てた。
雨が降ると当然濡れる。靴の泥落としにしては大きすぎるし、プランター台にしては高さが足りない。
何に使っているのか分からないまま、私の中ですのこは「謎の備品」として定着していた。
夫に話すと、苦笑いを浮かべて流された。
隣に住んでいるのは、五十前後の中年男性らしい。
挨拶を交わしたことは数回。物腰は静かで、特に不審な印象はなかった。
ただ、すのこの存在だけがずっと引っかかっていた。
なぜ部屋にしまわず、壁に立てかけたままなのか。台風が来るたびに私が玄関先で拾い直す気がして、勝手にハラハラしていた。
玄関の真横に倒れていた裸の背中
その日は朝から快晴で、日差しが強かった。
ゴミを出しに玄関を出た私は、隣の玄関前で動きを止めた。
すのこが地面に敷かれている。
そして、その上にうつ伏せで寝ている男性がいた。
下着一丁、ほぼ裸の背中が太陽に焼かれていた。日焼け止めを塗った跡まで光っている。
悲鳴を飲み込んで部屋に戻り、夫に伝えた。
夫は窓から覗いて顔をしかめた。事件ではないが、見たくないものを見た朝だった。
子供がいたら何と説明していただろうかと、後から背筋が冷えた。
その後も、月に二、三度は同じ光景に出くわした。
出勤前の慌ただしい朝、玄関を開けるたびに身構えるようになった。
すのこが立てかけられたままの日は安心、地面に敷かれている日は要警戒。我が家だけの不思議なシグナルが完成していた。
翌週、ゴミ捨て場で隣の男性とすれ違った。意を決して声をかけてみた。
「あの、玄関前のすのこって、何かに使われるんですか?」
男性は照れたように頭をかいた。
「日向ぼっこですよ」
悪意のない笑顔だった。だからこそ、私は絶句した。
「気持ちいいんで、休みの日はあそこで寝るんです。前住んでた家でもそうでしたよ」
本人にとっては自然な習慣らしい。
文句を言う筋合いもない。それでも、玄関を出るたびに半裸の中年男が転がっている景色は、どう考えても穏やかではなかった。
夫に報告すると「絡まれなくてよかった」と返された。
それはそうなのだが、何かが釈然としない。
すのこは「謎の備品」から「明日もそこにあるかもしれない地雷」に変わった。来月の更新で出ていくべきか、夫と真剣に話し合う羽目になった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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