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「人生はいつからでも変えられる」7,000人以上の相談に向き合った杉野奈央が語る、自分らしいキャリアの選び方
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GLAMのインタビュー企画では、人生やキャリアの節目で自分らしい選択を重ねてきた女性たちのリアルなストーリーを通して、読者に気づきや共感、これからの自分を選ぶヒントを届けています。
今回お話を伺ったのは、株式会社D.HITの代表として、歯科衛生士のキャリア支援事業や、歯科医院向けのコンサルティング事業を展開する杉野奈央さんです。
歯科衛生士は、患者の健康を支える予防医療のプロフェッショナルである一方、働き方やキャリアに悩みを抱える人も少なくありません。そんな業界の課題に向き合いながら、「やりたいことをやる人生を叶える」をミッションに掲げ、多くの歯科衛生士の人生に伴走してきました。
これまで累計7,000人以上のキャリア相談に携わり、一人ひとりが自分らしい選択をできるよう支援を続けてきた背景には、自身が現場で感じてきた課題意識と、女性がもっと自由に人生を選べる社会をつくりたいという強い想いがあります。
今回は、これまでのキャリアや起業のきっかけ、そして「自分らしい人生」を実現するために大切にしている考え方についてお話を伺いました。
人生の転機・価値観の変化
歯科衛生士として約10年働かれた後に独立されていますが、人生の大きな転機になった出来事は何だったのでしょうか?
自分自身が結婚と出産をした時に、改めて歯科衛生士の働き方を考えたんです。
歯科衛生士って、やっぱりどうしても現場がメインのお仕事なので、せっかく資格があっても働き方の選択肢が少ないなと感じましたね。
子どもが生まれたら時短勤務をしなきゃいけないとか、辞めなきゃいけないとか……。
そういう選択肢の無さが、業界の課題なんだと気付きました。
私だけじゃなくて、先輩方も出産を機に現場を離れる人が多かったり、もっと収入を増やしたいけど、方法がわからないと言う声もたくさんあって、最初は誰かが変えてくれたらいいな、業界が変わってくれたらいいなって思ってたんですが、だったら自分が変える側になろうと思い立ったのが独立のきっかけです。

結婚や出産といったライフステージの変化は、多くの女性にとって働き方を見つめ直すきっかけになります。
この時の杉野さんもまた、自身の経験を通して、歯科衛生士という職業が抱える課題と向き合うことになったといいます。
一人の歯科衛生士として感じた違和感は、やがて業界全体を変えたいという想いへと変わっていきました。
歯科衛生士時代に感じていた課題や違和感はありましたか?
やっぱりどうしても現場仕事というか、これは看護師さんとか保育士さんとか、士業の女性は皆さんそうだと思うんですが、国家資格という強い資格を持ちながらも、働き方の選択肢はすごく少ないんですよ。
“一生ものの資格”って言われるのに、全然一生ものじゃないなって……。実際に業界に入ったからこそ、身に沁みて感じたんですよね。
だからこの辺りは皆さんも課題に感じているのかなって考えました。
独立や起業を決断するうえで、不安や迷いはありましたか?
私が起業したのが、ちょうど子どもが生まれた年だったんです。
なので、赤ちゃんを抱えながら起業するっていうのは本当に不安でしたし、コロナ禍だったので、「ちょっと時期を間違えちゃったかな」と思ったこともあります。
それでも杉野さんが立ち止まらなかった背景には、「誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分が変える側になりたい」という強い想いがありました。
そして、その大きな不安を抱えながらも踏み出した一歩が、現在のキャリア支援事業へと繋がります。
歯科衛生士時代と経営者になった今とでは、物事を見る視点にどのような変化がありましたか?
かなり変わったと思います。歯科クリニックは、歯科医師が集客して患者さんを診るというか、待っていれば患者さんが来てくれて、それを診て対価をいただきますよね。でも今は自分で行動することから始めなきゃいけないですし、歯科衛生士は技術職なので、経営的視点が無い状態で社会に出るんですよ。数字や売上の構造だけじゃなくて、社会人としてのマナーとかルールも曖昧なままで……。
例えば一般業界だと、社会人一年目の研修やオリエンテーションがあると思うんですよ。でも歯科衛生士だと、すぐ現場に入って患者さんを診るので、社会人としての学びの場がなくて、それこそ名刺交換もできない、パソコンも慣れていない、メールも送れない状態で働いていることも多いので、そうすると選択肢も広げられないんですよね。
患者さんを診ることはできても、それ以上の働き方やキャリアを築くとかの視点を持っていないんです。

自分で気付けたきっかけはあったんでしょうか?
クリニックで十年働いて、その後にベンチャー企業に入ったんです。その時は医療ではなく、美容のホワイトニングの研修事業なんですが、歯科衛生士の資格は活かせましたが、全く違う美容の業界で、二年ほど役員として働いたのが大きなターニングポイントだったと思います。
その時に、今まで全くやってこなかった、パソコンの使い方や商談の仕方などのビジネススキルを身につけることができたんです。
そこで、自分が将来したいことを叶えるためには、ビジネススキルが無いと無理だなって気付きました。歯科衛生士の知識を持っているだけじゃ通用しないんだって。
異業種への挑戦は、それまで当たり前だと思っていた環境を客観的に見つめ直す機会にもなりました。
歯科衛生士としての経験に加え、新たな視点やスキルを得たことで、「業界を変えたい」という想いはより具体的な目標へと変わっていったようです。
現在の仕事・活動
現在の事業内容について、改めて教えてください。
「キャリココ」という、歯科衛生士向けのキャリア支援事業をやっています。
主に、個人の歯科衛生士さんに向けて、一人ひとりのキャリア支援をするサービスなんですが、それにプラスして、歯科クリニック向けの人材紹介だったり、歯科医院向けの教育だったり、コンサルティングをしています。あとは代官山で歯科医院を経営しています。
これまで7,000人以上の相談を受けてこられた中で、特に多い悩みは何ですか?
私たちに相談にくる歯科衛生士さんたちはやっぱりママ層が圧倒的に多くて、30~40代半ばぐらいが一番の層なんですが、皆さん同じような悩みを抱えていますね。
例えばお子さんが急に熱を出した時に、現場に穴を空けることへのプレッシャーだったり、産休や育休明けに不安を感じていたり……。あとは親の介護が始まって、なかなかフルタイムで働けないとか、自分のライフステージに合わせての働き方の選択肢がないという悩みがほとんどですね。
相談を受ける中で感じる、女性がキャリアを選ぶうえでつまずきやすいポイントはありますか?
“自分で決める”というところが弱いとは感じていて、誰かに許可を取って生きている女性がすごく多いと思ってるんですよ。家族や旦那さん、子どもがいるからという理由でチャレンジをしないというか、諦めている方は多いなと感じます。
あとは、“どうしても正解を見つける”という部分です。
どれをやれば正解なんだろうとか、人の正解を自分の正解に当てはめるとか。自分で決めたものを正解にしていく力がないから、つまずいてしまうんだなって、たくさんの方とお話をしている中で共通しているのはそこだなって感じますね。

では、逆にキャリア相談をする中で、成長する人や一歩踏み出せる人に共通する特徴はありますか?
最終的に、自分で決められるかどうかがその後に響いてくると思います。キャリアを変える上で、誰かのためやろうっていうモチベーションの人は続かないことが多くて、自分がやりたくてやる。自分が良いと思ったからやるって決められる人の方が、モチベーションを保てるんですよ。
たぶん、“自分軸”で決断できるかなんだと思います。
「自分の力で稼ぐ力」「自分で人生を選ぶ力」を育てるために、特に大切にしていることは何ですか?
小さいものでもいいので、自分で選択肢を作って自分で選んでいくってことを大切にしています。「どっちでもいいよ」とか、「何でもいいよ」にしないように、日頃から気をつけていて、自分で意思決定をする癖をつけていますね。
よく、「自分をクリアにしよう」って話すんですが、人にも物にも女性って我慢しながら生きてる人が多いなって思うんですよ。誰かの顔色を伺いながら、自己犠牲にしちゃう方が結構多い。「ママだからやらなきゃいけない」、「ママじゃなきゃダメ」みたいな固定概念があって、それを外せずに生きている方が多い印象があります。
でも、女性が社会で活躍する上で、サービスに頼ることとか他人に頼ることって絶対に必要なんです。それに自分が許可を出せるかって点は皆さんにもいつもお伝えしていますね。
最近取り組まれている歯科医院経営について、どのような想いで挑戦されているのでしょうか?
法律的に、歯科衛生士だけで歯科クリニックは日本では開業できないんですよ。なので、歯科衛生士は開業ができないと思い込んでいるんですが、歯科医師と手を組む事で歯科医院をオーナーとして開業する事ができるんです。
その固定概念みたいな業界の当たり前を崩したくて、歯科医院を始めたっていうのが一番の理由です。色んな法律の壁はあるんですが、できる形を探せば方法はあるので、やらないで終わらせるんじゃなくて、やれる方法を見つけようって。
もう一つは、せっかくたくさんの歯科衛生士がいるので、健康な人を増やしたいという想いもあります。

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