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「今の時代、育児は簡単でしょ」母を亡くし頼る人がいない中、育ててきた妻。だが、義母の信じられない一言に絶句

「今の時代、育児は簡単でしょ」母を亡くし頼る人がいない中、育ててきた妻。だが、義母の信じられない一言に絶句
聞ける相手がいないまま迎えた出産
妊娠が分かったとき、まっさきに浮かんだのは、もう母がいないという事実でした。
頼れる実家はなく、身近に育児の先輩もいません。しかも、人に会うことがままならない時期でした。
両親学級は中止、産院の面会もなし。
陣痛から出産まで、ずっとひとりきりです。
退院してからも、家に来てくれる人はいませんでした。
夜中に子どもが泣きやまないとき、片手でスマホを検索しながら、画面の向こうの誰かに答えを探すしかなかったのです。
(お母さんなら、なんて言うんだろう)
離乳食が始まると、分からないことはもっと増えました。かたさ、量、進める順番。ノートに一つずつ書き出して、手探りで進めていきました。
スプーンを置いて返した言葉
子どもが一歳を過ぎ、ようやく息をつけたころ。久しぶりに義母が家へ来ました。
義母は子どもの器をのぞき込むと、笑いながら言ったのです。
「今の時代、育児は簡単でしょ」
私はスプーンを置きました。
あの日までなら「そうですね」と笑って流していたと思います。
「簡単じゃなかったです」
「相談できる母もいないなか、ひとりで全部やってきました」
義母の笑い声が、途中で止まりました。
「そんな、深い意味で言ったわけじゃ…」
「深い意味がなくても、言われた側には残ります」
義母は何か続けようとして、手元の湯呑みに視線を落としました。
器を持つ指が、置き場所を探すように動いています。
台所から出てきた夫が、静かに口を挟みました。
「母さん、それは言っていいことじゃないよ」
「この一年、俺よりずっと踏ん張ってきたのは妻だ」
義母は長いこと黙ったあと、膝に手を置いて頭を下げました。
「ごめんなさい。何も知らないで言ったわ」
義母が謝るところを見たのは、それが初めてでした。
「気にしないでください、とは言えません。でも、言えてよかったです」
私がそう返すと、義母はうなずいて、それきり黙って子どもを見ていました。
あの日から、義母の物言いはすっかり変わりました。会えば「大変だったでしょう」と先に聞き、帰り際には必ず「無理しないでね」と言い残していきます。
先日は、離乳食の本を抱えて現れました。
「これ、今どきのやり方なんですって。わたしも知らないことばかりで」
「じゃあ、一緒に読みましょう」
そう言うと義母は本を開いて、子どもの隣にちょこんと座り込みました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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