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「ママがどれだけ恥ずかしい思いをしたかわかる?」泣いている息子を叱り続けた母親。だが、年配の女性の一言に絶句

夜の車内に響いた叱り声
仕事帰りの電車は、座席が半分ほど埋まる程度の混み具合でした。
ドアの近くに、小学校の中学年くらいの男の子と、その母親が立っています。
「だから言ったでしょ。どうしてそんなに鈍いの」
母親の声は、車両の端まで届く大きさでした。
男の子は下を向いて、リュックの肩ひもを両手で握っています。
「ママがどれだけ恥ずかしい思いをしたかわかる?」
叱られている中身に、車内でしてはいけないことは一つも出てきませんでした。
動きが遅い、要領が悪い、母親が恥をかいた。その繰り返しです。
男の子の頬に、涙が伝っていました。声を出さないように、口を強く結んでいます。
「泣けば済むと思ってるでしょ。そういうところなの」
座っている人たちが、少しずつ視線を落としていきました。
私は立ち上がって、二人のほうへ近づきます。
「すみません。お声が、車内にかなり響いていますので」
言い終わる前に、母親がこちらを向きました。
「は?あなたには関係ないでしょ」
それから、男の子の腕を強く引き寄せます。
「あんたのせいだからね」
男の子の肩が跳ねました。私が声をかけたせいで、この子に向かう言葉が増えてしまったのです。
息子さんに向けられた言葉
そのとき、少し離れた席にいた年配の女性が、ゆっくり立ち上がりました。
母親のほうへは行きません。
まっすぐ男の子の前まで来て、腰をかがめます。
「あなた、よく我慢したね。えらかったよ」
男の子が顔を上げました。目のふちが赤いままです。
年配の女性は姿勢を戻して、母親のほうを向きました。声は、さっきよりも静かでした。
「お子さんのせいじゃないですよ」
それだけです。責めてもいなければ、大きな声でもありません。
母親の口が動きかけて、途中で止まりました。
「……別に、そんなつもりは」
その先が続きません。目だけが、車内をせわしなく動いていました。
座っていた人たちが、こちらを見ています。誰も何も言いませんでしたが、何人かが小さくうなずいたのがわかりました。
母親は、それ以上は何も言えませんでした。
つかんでいた腕を離して、代わりに男の子の手を取ります。
電車が速度を落として、次の駅に停まりました。二人はドアから降りていきます。ホームに足を着けたところで、男の子が振り返りました。
年配の女性のほうへ、小さく頭を下げます。
女性は窓越しに手を振り返しました。ドアが閉まるまで、その手を下ろしません。
席に戻ってきた女性に、私は自分の声のかけ方が浅かったことを伝えました。
「注意すると、あの子に返っちゃうんですよね」
そう言って、女性は窓の外に目を戻しました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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