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「静かにしろよ!」差出人のないチラシがポストに→管理会社が入れた覚えなしと言った瞬間に凍りついた

「静かにしろよ!」差出人のないチラシがポストに→管理会社が入れた覚えなしと言った瞬間に凍りついた
上の階の音に耐えかねて
夫と二人で住む賃貸の上階から、毎晩のように音が降ってきた。大音量の音楽、テレビの低い響き、深夜まで続くドスドスという足音。
ベランダに流れてくるタバコの臭いまで加わって、私はとうとう管理会社に電話を入れた。
「上の方の生活音と、たばこの件でご相談したくて」
「承知しました。注意のチラシを各戸へ入れさせていただきますね」
「助かります。夜中の音で、ここ数週間ろくに眠れていなくて」
数日後、ポストに管理会社名の入った注意文書が届いていた。
効果はすぐに出た。夜の音楽はぴたりとやみ、深夜の足音も気にならなくなった。
「やっと静かになったね」
「ほんと、言ってよかった」
ようやくまともに眠れる、と夫と胸をなでおろした。波風を立てたくはなかったけれど、勇気を出して相談した甲斐があった。そう思っていた。
差出人のない一枚
ところが数日後、また一枚の紙がポストに入っていた。手に取った瞬間、指先が冷たくなった。
「静かにしろよ!」
前回と違って、管理会社のロゴも、社名も、連絡先もない。手書きに近い、ぶっきらぼうな一行だけ。
「これ、管理会社のじゃないよね」
「誰が…」
嫌な予感がして、私はその場で管理会社に電話をかけた。
「二枚目のチラシ、ありがとうございます。あれもそちらで入れてくださったんですよね」
受話器の向こうで、担当者がきっぱりと言った。
「いえ、二枚目はお出ししていません。当社はあの一枚きりです」
その瞬間、背筋がすっと冷たくなった。
誰が、何のために
「じゃあ、これは誰が……」
「差出人がないとなると、当社からは何とも」
電話を切ってから、夫と二人でその紙を何度も見つめた。誰が入れたのか。何のために。考えられるのは一つだけだった。
「俺らが管理会社に言ったの、上の人にバレてんのかもな」
「でも、どこの部屋から相談があったかなんて、普通は分からないよね」
それでも、わざわざ社名のない紙でこちらに「静かにしろよ」と書いてくる人間が、上以外にいるとは思えなかった。
注意された側が、注意した側を探り当てて、こうして紙を投げ込んでいるのかもしれない。そう考えると、あの一行は騒音への文句ではなく、こちらへの警告に思えてきた。
「次に来たら、写真撮って管理会社に渡そう」
夫はそう言ったけれど、その「次」を想像するだけで気が滅入った。
それ以来、ポストを開ける手が止まるようになった。郵便受けの蓋に指をかけるたび、また同じ紙が入っているのではないかと身構える。差出人のいない一行が、今も頭の奥に貼りついて剥がれない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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