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「○○さんって、昨日駅前にいましたよね?」プライベートをなぜか知ってる中途入社の後輩。だが、後輩の噂を聞き背筋が凍った

○○さんって昨日駅前にいましたよねプライベートをなぜか知ってる中途入社の後輩だが後輩の噂を聞き背筋が凍った

入社から3か月、雑談がなぜか調書のようだった

30代になり、後輩の指導を任される機会が増えてきた。

普段は営業企画の部署で、自分の上に課長、横に同年代の先輩が並ぶ環境だ。

そこへ中途入社の若手の男性後輩が配属されたのは、ちょうど梅雨に入る前のことだった。

20代後半、人当たりは柔らかく、第一印象は悪くない。

違和感が芽生えたのは、入社から3か月ほど経った頃だった。

給湯室で会うと、彼は決まって名指しで切り込んでくる。

「○○さんって、昨日駅前にいましたよね?」

プライベートの予定を、こちらから一切話していないのに当ててくる。直属の先輩や同期に対しても同じ調子だった。

「先輩、犬飼ってますよね。ゴールデンの」

SNSをほとんど更新しない先輩のことまで、なぜか把握している。問い詰めると、出てくる言い訳は決まって同じだった。

「フォローしてる人の繋がりで、なんとなく見えちゃって」

本人は悪気なく笑うけれど、聞かされた側の表情は明らかにこわばっていた。

休日の自宅前に立っていた、という話が回り始めて

その夏、別の部署の同期から電話が入った。日曜の昼に、自宅マンションの前で件の後輩を見かけたという。

「目が合った瞬間、すっと角を曲がって消えた」

同期の声は、軽口にしては低かった。住所はもちろん、最寄り駅さえ社内で話したことはない。

(じゃあ、どうやって辿り着いたんだ)

背筋に冷たいものが走った。SNSの位置情報、過去の投稿の背景、雑談で漏らした最寄り路線、本人の勤続年数。点と点を強引につなぐ手間を、彼は仕事よりも丁寧にこなしているのかもしれない。

同じ話は別の同期からも聞こえてきた。直接の被害は出ていない。声をかけられたわけでも、何かを盗まれたわけでもない。だからこそ、誰も上に相談できないまま秋が来た。

新人配属の時期になると、人事に挨拶へ来た新人が小声で漏らした。

「正直、あの人がいる部署には行きたくないんです」

名指しされたわけではない。けれど、同期と顔を見合わせれば、誰のことを言っているのかは一瞬で伝わった。先輩面で挨拶を返してきた本人は、何も気づいていない様子だった。

幸い私の名前は、まだ彼の口から具体的に出ていない。同僚の自宅前に立っていた、という噂もどこまで本当か分からない。それでも、廊下で目が合うたびに、こちらの去年の予定を頭の中で読み上げられているような感覚がして、毎回足が止まる。直接の被害がない、で済ませられない冷たさが、職場の空気にじっと残っている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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