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「撮影はダメでしょ」温泉にスマホを持ち込んだ客。だが、スタッフが毅然と退場させた瞬間

撮影はダメでしょ温泉にスマホを持ち込んだ客だがスタッフが毅然と退場させた瞬間

湯けむりの向こうに

家族で泊まった温泉宿での、忘れられない出来事です。

夕食の前に、私は宿自慢の大浴場へ向かいました。

広々とした湯船から白い湯けむりが立ちのぼり、それだけで日ごろの疲れがほどけていくようでした。

ゆっくりと肩まで湯に浸かっていると、少し離れた場所に、どうにも落ち着かない気配を感じます。

湯けむりの向こうで、ひとりの女性が、手元の小さな光をじっと見つめているのです。

まさかと思って目を凝らすと、それはまぎれもなくスマートフォンでした。

(撮影はダメでしょ)

周りの人たちも次々に気づき、湯船には「えっ」というとまどいの声が、小さく広がっていきました。

撮影禁止という注意

浴場では、そう長くたたないうちに、従業員の方が様子を見にやってきました。

女性の手元に気づくと、その方はていねいに、けれどはっきりと声をかけます。

「お客様、こちらは撮影禁止となっております」

ところが女性は、悪びれるどころか、かえって気色ばみました。

「自撮りしてるだけ。何が悪いの」

大きな声が、湯けむりの立ちこめる浴場に響きわたります。

湯船にスマートフォンを持ち込むこと自体が、みんなの心を落ち着かなくさせていました。

せっかくのくつろぎの時間が、その怒鳴り声で台なしになりかけていたのです。

静けさが戻るまで

それでも、従業員の方は少しもひるみませんでした。声を荒らげる女性に対しても、あくまで冷静な口調を崩さずに告げます。

「ほかのお客様もいらっしゃいます。恐れ入りますが、いったん外へご一緒いただけますか」

毅然としたその態度に、女性はなおも何か言い返そうとしていましたが、周りの視線が集まっていることに気づいたのでしょう。

やがて渋々と湯船から上がり、従業員に付き添われて、浴場をあとにしていきました。

女性の姿が消えると、あれほどざわついていた浴場に、ふたたび静けさが戻ってきました。聞こえるのは、湯のあふれる音だけです。

近くにいた年配の女性が、私と目を合わせて、ほっとしたように小さくほほえみました。

ひとりのマナー違反で、その場にいた全員が居心地の悪い思いをする。

それでも、きちんと筋を通してくれる人がいれば、場の空気は守られるのだと知りました。

私はもう一度、ゆっくりと湯に身を沈めたのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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