Share
「なんで買わないの!当たったのに!」新型ゲーム機の購入をやめたことを言ってしまった夫。逆ギレする夫に待っていたのは

つい漏らした一言
ゲーム機の新型が、公式抽選で当たった。当選メールを見たときは小躍りした。
「でも、量販店のポイントで買った方が結局お得だよね」
妻の計算は正しかった。当選は見送って、子どもには内緒にしておく。それが我が家の暗黙の了解だった。
なのに、その夜だ。
息子と並んでゲームをしていたら、つい口が軽くなった。
「実はあの新型ゲーム、パパ当てたんだよな」
言った瞬間、しまった、と思った。
息子の目がぱっと輝く。
「えっ、ほんと?じゃあ買ってよ!」
「いや、それは……ちょっと事情があって」
見送った理由なんて、子どもが納得するわけがない。
当たったのに買わないなんて、と息子はみるみる機嫌を損ねていった。
自分で蒔いた種なのに
「なんで買わないの!当たったのに!」
泣きべそをかく息子に、私はだんだん苛立ってきた。
説明しても通じない、その状況に耐えられなくなったのだ。
本当は自分の失言が招いたことだと、頭のどこかでは分かっていた。それでも引っ込みがつかなかった。
「うるさいな、もう寝なさい!」
つい大声が出た。自分が漏らしたせいなのに、その怒りを子どもにぶつけてしまった。
息子はびくっと肩をすくめて黙り込む。その瞬間だった。
「ちょっと待って」
台所から妻が出てきた。声は低く、目はまっすぐ私を捉えていた。
「あなたのせいでこうなったんでしょ」
言葉に詰まった。喉まで出かかった言い訳が、出てこない。
「内緒にしようって決めたのに、漏らしたのはあなた。なのにこの子を怒鳴るのは違うよね?」
布団に逃げた夜
反論できなかった。全部、その通りだったからだ。
「……いや、それは」
「それは、何?」
「……すまん」
三度言いかけて、三度言葉を飲み込んだ。妻は腕を組んだまま、一歩も引かない。
息子は不安そうに私と妻を見比べている。私はこの場にいたたまれなくなって、逃げるように寝室へ向かった。
「先に寝るわ」
背中で妻のため息が聞こえた。布団を頭からかぶっても、子どもの泣き顔と妻の真顔が交互に浮かんで眠れない。考えるほど、悪いのは全部自分だと分かってくる。
翌朝、容赦なく揺り起こされた。
「ほら、起きて。今日はお出かけの約束でしょ」
妻はもう支度を終えていた。私は布団から這い出し、まだ少しふくれている息子の前に座った。
「昨日は怒鳴って悪かった。パパが約束破って漏らしたのが、そもそもの原因だ」
息子はきょとんとしたあと、こくりとうなずいた。妻は何も言わず、ただ満足そうに鼻を鳴らして玄関の鍵を開ける。私はその背中に、ひとことも言い返せなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


