MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「家族とは実際うまくいってたの?」亡くなった人の家族の前で話を続けた叔父。だが、親戚の一人が止めた瞬間

家族とは実際うまくいってたの亡くなった人の家族の前で話を続けた叔父だが親戚の一人が止めた瞬間

久しぶりに顔を出した叔父が、本家の古いパソコンを見て言った

法事の日、本家の座敷には親戚が集まり、久しぶりに会う顔もいくつか並んでいました。

その中に叔父がいました。仕事が忙しいと言って普段は親戚の集まりにあまり来ない人で、こうして同じ席にいること自体が珍しい人でした。

「久しぶりですね」

誰かが声をかけると、叔父は少し照れたように会釈をしました。

しばらくして、叔父は座敷の隅にある机へ目を向けました。

そこには、本家で長く使われている古い型のパソコンが置かれていました。

「まだこれ使ってるの?ずいぶん古くない?」

本家の人が「まだ動くからね」と笑って答えると、叔父は不思議そうな顔をしました。

「新しいのに替えたほうが便利じゃない?」

近くにいた親戚が、「使えてるならいいじゃない」と笑って話を終わらせました。

叔父は昔から、気になったことをそのまま口にするところがありました。本人に悪気はないのでしょうが、ときどき周りが返事に困ることがあります。

そのときも、それ以上は誰も触れず、別の話題へと移っていきました。

故人の娘がいる前で、叔父が家族のことを聞き始めた

お膳が運ばれると、話題は自然と亡くなった親戚の思い出に移っていきました。

「よく笑う人だったよね」

「最後まで気丈だったな」

それぞれが故人との思い出を話していたときです。

叔父が箸を置き、思い出したように口を開きました。

「そういえば、あの人って家族とは実際うまくいってたの?」

一瞬、周囲の会話が止まりました。

叔父はその空気に気づいていないのか、さらに続けました。

「昔、家のことでいろいろあったって聞いたことがあるけど、あれって本当だったの?」

すぐそばには、故人の娘さんが座っていました。

それまで静かに話を聞いていた娘さんは何も答えず、視線を落としました。

誰かが「まあ、昔のことだから」と話を終わらせようとしました。

しかし叔父は、まだ気になっていたようです。

「いや、前からちょっと気になってたんだよ」

そのとき、向かいに座っていた親戚の一人が叔父を見ました。

声を荒らげることもなく、落ち着いた調子でした。

「その話はやめて。今日は法事です」

叔父は何か言いかけましたが、娘さんのほうを見て口を閉じました。

そして、ばつが悪そうに小さくうなずきました。

「……そうだね。ごめん」

それ以上、その話が続くことはありませんでした。

少しして誰かがお茶のおかわりを勧め、別の親戚が昔の旅行の話を始めました。止まっていた会話も、少しずつ元に戻っていきました。

帰り際、玄関で靴を履いていると、娘さんが私のそばで小さく言いました。

「あの人が止めてくれて、よかった」

叔父に悪気はなかったのかもしれません。

それでも、故人を偲ぶために集まった日に、家族の前でわざわざ聞く必要のないこともあります。

誰かが静かに「今日はやめよう」と線を引いてくれたことで、それ以上気まずい空気にならずに済んだのだと思います。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「もう少し香りが弱かったらな」隣の家から流れてくる強い洗剤の香り。隣人に言い出せずにいる理由

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking