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「次は女の子だな」初孫を抱いて喜んでいた義父の一言。素直に私たちが喜べなかったワケ

初孫を抱いた腕
息子を産んで2か月が過ぎたころ、初めて夫の実家へ帰省しました。
日が落ちてから着いたので、玄関の明かりだけが道に伸びています。
引き戸が開くより先に、義父が土間へ下りてきました。
「よく来た、寒かっただろう」
抱っこ紐から息子を受け取ると、義父は腕の中を覗き込んだまま動かなくなります。
「まぶたのあたりが、こいつの小さいころにそっくりだ」
横で義母が笑って、夫の子どものころのアルバムの話を始めました。義父はそれも聞かず、廊下の明かりに息子の顔を近づけています。待望の初孫でした。写真は何度も送っていましたが、抱くのはこの日が初めてです。
「重いな。ちゃんと育ってる」
私は上がり框に腰を下ろして、荷物を足元に置きました。
玄関先で止まった話
義父はまだ土間に立ったまま、息子を軽くゆすり続けています。
「次は女の子だな」
明るい、悪気のない声でした。
「二人目は、いつごろ考えてるんだ」
「まあまあ、まだ2か月よ」
義母が横から言いましたが、義父の耳には届いていない様子でした。
返す言葉が、すぐには出てきませんでした。夜は三時間おきに起こされ、その日も曜日の感覚がなくなっていたところです。車の中でも、眠っていたのは息子だけでした。
「……そうですね」
口の中で、それだけ言うのが精一杯でした。
夫が土間で言ったこと
靴を脱ぎかけていた夫が、手を止めて振り返りました。
「父さん、その話は今はしないでほしい」
声を荒らげたわけではありません。玄関の明かりの下で、いつもと同じ調子でした。
「こいつ、まだ夜もまとまって寝られてないんだ」
義父の腕の動きが止まりました。息子の顔から目を離し、私のほうを一度だけ見ます。
「……そうか。悪かったな」
「いえ、そんな」
「気が急いた。年寄りは先ばかり見るから、いかん」
義母が奥から出てきて、義父の背中を軽く叩きました。
「言わんこっちゃない。この人、朝から落ち着きがなかったのよ」
「うるさい」
義父は息子を抱いたまま、そそくさと廊下を歩いていきます。その夜、二人目の話は一度も出ませんでした。
客間に敷かれた布団の枕元には、湯たんぽが置いてあります。
「朝飯は気にしなくていい。ゆっくり寝ていなさい」
襖の向こうから、義父の声だけが聞こえました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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