Share
「この服変かな、母さんに電話する」と何でも聞いてしまう夫。だが、妻の一言で態度が一変

「この服変かな、母さんに電話する」と何でも聞いてしまう夫。だが、妻の一言で態度が一変
なんでも実母に電話する夫
結婚して三か月。休日に出かけようとするたび、夫は決まってスマホを手に取る。相談する相手は、隣にいる私ではなかった。
「この服変かな、母さんに電話する」
電話の相手は、車で十分の実家に住む義母だ。服の組み合わせも、休日の予定も、新しい家電を買うかどうかまで、まず母親に確認しないと決められない。それが夫の当たり前だった。
「それくらい、私に聞いてくれればいいのに」
そう言っても、夫はきょとんとした顔で返してくる。
「親に聞かなきゃわからないことってあるじゃん?」
電話の向こうの義母は、いつも「これでいいんじゃね?」と適当な返事をするだけ。それでも夫は安心したように出かけていく。可愛い息子だからか、義母も「自分で決めなさい」とは言わない。
先週も、二人で選ぶはずだった炊飯器を、夫は勝手に母親へ相談して決めてしまった。私が売り場でいくつか候補を選んでいる横で、夫はスマホ片手に電話をかけていたのだ。
「母さんがこれがいいって」
その一言で、私が悩んで選んだものは、なかったことになる。悪気がないぶん、余計にこたえた。
(私と結婚したのに、どうしていつも後回しなんだろう)
「それ、私に聞いて」で変わった休日
ある日曜の朝、また夫がスマホに手を伸ばした。着ていくシャツを写真に撮って、母親に送ろうとしている。私はその手をそっと止めて、まっすぐ目を見て言った。
「それ、私に聞いて」
夫は一瞬、固まった。
「え、でも母さんのほうが服とか詳しいし……」
「私たち、夫婦でしょ。二人で決めていこうよ」
気まずい沈黙が流れた。夫はスマホと私の顔を交互に見て、おずおずと画面を伏せる。ちょうどそのとき、義母から電話がかかってきた。渡りに船とばかりに相談を持ちかけた夫に、義母はあっさり言い放った。
「そんなの、奥さんと決めなさいよ。いつまで私に聞くの」
受話器の向こうの声に、夫は目を丸くした。最後の頼みの綱だった母親からも突き放され、口をぱくぱくさせたあと、しばらく黙り込む。それから、観念したように私を振り返った。
「……じゃあ、この服、どうかな」
結婚して初めて、まっすぐ私に向けられた質問だった。私は思わず笑ってしまった。
「うん、似合ってる。すごくいいと思う」
それ以来、夫はまず私に聞くようになった。実家への電話は目に見えて減り、休日の予定も、買い物も、二人で決める。
頼る相手が変わっただけと言われればそれまで。でも、隣で一緒に悩んでくれる夫の横顔が、私にはたまらなく嬉しかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


