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「脚立揺らしただけだろ(笑)」冗談ばかりの夫。だが、夫の悪ふざけに我慢の限界が来た

「脚立揺らしただけだろ(笑)」冗談ばかりの夫。だが、夫の悪ふざけに我慢の限界が来た

悪ふざけを笑う夫

結婚して間もない頃、夫には人を驚かせて笑う癖があった。

背後からいきなり大声を出したり、私が運んでいる荷物を横から引いたり。

玄関のドアの陰に隠れて、帰宅した私を待ち構えていたこともあった。そのたびに一人で腹を抱えて笑うのだ。

「今の、そんなに驚く?大げさだなあ」

私が本気で嫌がっても、夫はいたずらが成功したとしか思っていないようだった。

私の顔がこわばっても、それすら面白い反応の一つに見えているらしい。

「やめてよ、危ないから」

「ごめんごめん、つい」

その場ではそう言うのに、数日経つとまた同じことを繰り返した。

悪気がないぶん、たちが悪いと思った。何度伝えても届かないうちに、私はいつしか家の中でも身構えるようになっていた。

脚立の上で

その日、私は押し入れの天袋を片づけるため、脚立の上に立っていた。

両手で段ボールを抱え、足元だけでバランスを取っていたときだった。

脚立が、がくんと大きく揺れた。

夫が面白半分に脚をつかんで揺すったのだ。

危うく落ちかけて、私は壁に手をついてなんとか踏みとどまった。心臓が激しく鳴っていた。

「脚立揺らしただけだろ(笑)」

夫はいつものように笑っていた。段ボールの中身が散らばった床には、目もくれずに。

笑えない

私は段ボールを床に置き、夫の目をまっすぐ見た。

「笑えない」

低い声だった。笑っていた夫の顔から、表情が消えていく。

「え、いや、そんな本気で…」夫は言いかけて、言葉を飲み込んだ。目が泳ぎ、笑いの余韻はどこにも残っていなかった。

「落ちていたら、私は怪我をしていた。あなたのいたずらは、結婚してからの数年間、私にとって一度も面白くなかった」

普段の私が声を荒げないぶん、真顔の一言は効いたらしい。

夫はしばらく黙り込み、それから床に散った段ボールの中身を、無言でひとつずつ拾い集めはじめた。

「…ごめん」

夫はもう言い訳をしなかった。視線を落として、小さくそう繰り返した。

それ以来、夫が悪ふざけをすることはなくなった。驚かすでもなく、揺らすでもなく、ただ普通に隣にいてくれる。私が脚立にのぼると、今度はそっと下で支えてくれるようになった。

笑えないことは笑えないと、はっきり伝えてよかった。あの真顔ひとつで、二人の距離はむしろ近づいた気がしている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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