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「お墓の掃除行ってきてね」お盆前夜に嫁だけに墓掃除させる義母。翌日、お墓参りに来た家族の姿に感じた違和感

お盆前夜に響く催促
義実家への帰省は年末とお盆の年2回。
新幹線を乗り継いで到着するのは、決まってお盆の前日の夕方でした。荷物を玄関に置いた瞬間、義母が台所からエプロン姿で顔を出します。
「お墓の掃除行ってきてね」
毎回この一言です。長旅の疲れも、子供の昼寝の支度もまだ終わっていない時間に、軽い口調で投げてくる。
墓地は車で20分の山の中腹にあり、雑草はくるぶしまで伸び、墓石は黒く苔むしているのが常でした。
義母も義父も、私が来るまでの数ヶ月、一度も足を運んでいないのが一目で分かります。
夫は実家に着くなり義父の晩酌に付き合いはじめ、義妹は子供たちをリビングで遊ばせている。私だけが軍手と雑巾を渡され、薄暗くなりかけた墓地へ車を出す。
これが結婚15年、毎年お盆と年末に繰り返されてきた光景でした。義母にとっては「お墓掃除=嫁の役目」が完全に固定された家のルールなのです。
初年度こそ義妹も一緒に来てくれましたが、2回目以降は誘うこともしなくなりました。夫に「一緒に行こう」と頼んだ年もありましたが、義母から「男の人にやらせるものじゃない」と止められ、結局私が一人で軍手をはめ直すことになるのです。
役割が固まってしまうと、そこから動くのに必要な労力は途方もないものでした。
翌朝の墓前で見た顔
陽が落ちきる前に墓石をブラシで擦り、雑草を抜き、線香立ての灰を捨てて拭き上げる。
所要時間はおおよそ2時間。
義実家に戻った頃には全身汗だくで、髪の毛にも蜘蛛の巣の名残がついていました。
子供の寝かしつけにも遅刻し、シャワーを浴びる頃には日付が変わる寸前。
義母は「お疲れさま」のひと言だけで、麦茶を一杯出してくれただけでした。
そして翌朝、家族全員で正装してお墓参りに向かいます。前日とは別人のように磨かれた墓石の前で、義母は深々と手を合わせ、ご先祖様に語りかけるのです。
「いつも見ていてくださってありがとうございます」
その横顔は驚くほど穏やかで、まるで自分で隅々まで磨き上げたかのような満足げな表情でした。
義父も「先祖を大事にする家でよかった」と頷いている。私だけが、昨日の手の擦り傷を袖で隠しながら一歩下がって立っていた。
隣の親戚に向かって、義母はお参りの作法までもっともらしく教え始める始末です。
ご先祖様への敬意を語る義母と、嫁にだけ汚れ仕事を押し付ける義母。同じ人が同じ口で続ける矛盾に、毎年同じ場所で立ち尽くしてしまう。
今年こそ言おうと思った一言は、決まって口の中で溶けていくのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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