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「そのバイク、どけてもらえない?」車を持たない私の駐車スペース。だが、断りもなく停め続けた住人に絶句

空いたままだった、私の駐車スペース
私が住んでいたマンションでは、1部屋につき1台分の駐車場が割り当てられていた。ただ、当時の私は車を持っていなかった。
契約上は私のものになっているそのスペースだけが、いつもぽっかりと空いたままだった。白線で囲まれたアスファルトを、私は毎日なんとなく見ながら通り過ぎていた。
ある夕方、インターホンが鳴った。ドアを開けると、同じ階に住んでいる人が立っていた。顔は見たことがあるけれど、あいさつを交わしたこともない相手だった。
「申し訳ないんだけど、親戚が来ていて停める場所がないの。あなたのところの駐車場、借りてもいい?」
断る理由は思いつかなかった。使っていないスペースだし、私が困ることは何もない。
「どうぞ。空いているだけなので」
相手は軽く頭を下げて帰っていった。その日は、それで終わりだった。穏やかな、ちょっとしたやりとりのはずだった。
断りの言葉が、聞こえなくなった
様子がおかしいと気づいたのは、それからしばらく経ってからだ。窓から下を見ると、見覚えのない車が私のスペースに収まっている。
また親戚が来ているのだろう、とすぐに分かった。ただ、今度は事前に何も言われていなかった。
次のときも、そのまた次も同じだった。車はいつのまにか停まり、いつのまにか消えている。あのとき交わした短いやりとりが、いつのまにか「毎回いい」という約束にすり替わっていた。
「一度だけの話じゃなかったの」
文句を言いに行くほどでもない。でも、何となく嫌だった。だから私は、自分のバイクをそのスペースに置いてみることにした。もともと自分に割り当てられた区画なのだから、何を置こうと私の自由なはずだ。
数日後、またインターホンが鳴った。ドアの向こうには、あの人が立っていた。
「そのバイク、どけてもらえない?」
一瞬、言葉が出なかった。開いた口がふさがらない、というのはこういうことかと思った。
「だってあそこ、ずっと空いていたでしょう」
悪気のある顔ではなかった。この人の中では、あのスペースはもう自分が使える場所になっていたのだと思う。私は息を整えて、できるだけ静かに答えた。
「バイクも、自分のところの駐車スペースなら置いていいと聞いていますが」
相手は口の中で何かをつぶやきながら、背を向けて去っていった。それきり、私のスペースに知らない車が停まることはなくなった。ドアを閉めてから、私は小さく息を吐いた。自分の場所を自分の言葉で取り戻せたのだと思うと、胸の奥が静かに軽くなった。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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