Share
「あと1枚だけ、まだ撮りたいの」自分勝手に撮影を続けるグループ。だが、スタッフが整理して譲らせた結果

「あと1枚だけ、まだ撮りたいの」自分勝手に撮影を続けるグループ。だが、スタッフが整理して譲らせた結果
展望台の撮影スポットで
旅行先の高台にある展望台は、街並みと海が一望できる人気の場所でした。
私も記念に一枚撮ろうと、撮影スポットの列に並びました。
空はよく晴れて、遠くの島影までくっきりと見える、絶好の眺めの日だったのです。
ところが、いちばん眺めの良いその場所を、前のグループがなかなか空けてくれません。
三脚代わりに荷物を置き、代わる代わるポーズを変えては、何十枚も撮り続けていました。
仲間内で盛り上がって、後ろの列など目に入っていない様子です。
20人が待つ列
気づけば、私の後ろにも列がどんどん伸びていました。
ざっと数えても20人近くが、順番を待って並んでいます。
子ども連れやお年寄りの姿もあって、強い日差しの下、みんなが辛抱強く自分の番を待っていました。
それでもグループは、まったく譲る気配を見せません。
「あと1枚だけ、まだ撮りたいの」
そう言いながら、その1枚はいつまでも終わりませんでした。
次はポーズを変えて、その次は立ち位置を変えて、と撮影は延々と続きます。
周りの人が小さく咳払いをしても、まるで気づかないようでした。
巡回していたスタッフが、譲り合ってご利用くださいと声をかけても、グループは生返事をするばかり。
待つ人たちは、ため息をつきながら立ち尽くすしかありませんでした。
スタッフが列を整えて
このままではきりがないと見たのでしょう。
スタッフはグループのそばへ進み出て、はっきりと、けれど穏やかに間に入りました。
「撮影はお一組さま一分を目安にお願いしております。お荷物はお預かりしますね」
時間の目安を示され、置きっぱなしだった荷物もどけられて、グループもさすがに引き下がりました。
強く責めるのではなく、あくまで案内という形で場を仕切るその手際に、私は思わず見入ってしまいます。
撮影スポットが、ようやく次の人へと開かれたのです。
そこからは列がすっと動き出しました。
ひと組ずつ手際よく入れ替わり、待っていた人たちの表情も、目に見えて明るくなっていきます。
私の番も、思ったより早く回ってきました。
海を背にして一枚だけ、満足のいく写真を撮り終えたとき、後ろの人たちの列も気持ちよく流れていました。
ひとりが毅然と間に入るだけで、こんなにも場がなめらかに動くのかと驚きます。
譲り合いって、こんなにも心地よいものかと、あらためて感じた瞬間でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


