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「せっかくだから、1曲歌わせてくれ」結婚式で勝手にマイクを握った親戚→歌い終わった後の司会の一言で空気が一変

乾杯のあとで
親戚の結婚式に招かれた、初夏のことでした。
新郎新婦が晴れやかに入場し、乾杯の音頭で会場が一つになった、その直後のことです。
和やかな歓談の空気を破って、ひとりの男性が勢いよく立ち上がりました。
新郎側の親戚だという、40代くらいの方です。
ほどよく酒の回った顔で、その人はつかつかと進み出ると、司会者の手からマイクをひょいと取り上げてしまいました。
まさか自分が指名されるとでも思ったのか、その足取りには少しの迷いもありません。
新郎新婦も、突然の出来事にぽかんとしています。
突然のマイク
何が始まるのかと、会場中の視線が集まります。
男性は上機嫌のまま、こう声を張り上げました。
「せっかくだから、1曲歌わせてくれ」
そして返事も待たず、まるでカラオケのように歌い出したのです。
伴奏もない披露宴の会場に、朗々とした歌声が響き渡ります。
本人はすっかり気持ちよさそうで、目を閉じて熱唱しています。
招待客はどう反応したものかと戸惑い、あちこちで曖昧な笑みと拍手が起こるばかりでした。
祝いの席が、いつのまにか場違いな独演会に様変わりしています。
新郎新婦は困ったように笑い、司会者もどう収めたものかと表情をこわばらせています。
放っておけば、続けて2曲目に入りそうな勢いでした。このあとには、新婦のお父様の挨拶が控えているというのに。
司会の笑顔
歌が一区切りついた、まさにその瞬間でした。
司会者がすっと歩み寄り、にこやかに、けれどはっきりと声をかけます。
「素敵なお声をありがとうございます。会場も大いに温まりました」
拍手を誘うように場を締めくくると、司会者はやんわりとマイクを受け取りました。
歌おうとしていた男性も、拍手に包まれては引き下がるほかありません。
「それではここで、新婦のお父様よりご挨拶を頂戴いたします」
飛びかけていた大切な挨拶が、こうしてきちんと元の位置へ戻されました。
壇上に立ったお父様は、少し緊張した面持ちで、娘への万感の思いを言葉にしていきます。その一言一言に、会場はしんと聞き入りました。
もし司会者が動かなければ、この大切な時間は失われていたかもしれません。誰も傷つけず、それでいて場をきちんと守り抜いた鮮やかな手際に、私は心から感心したのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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