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「玄関からずっと、気が利かない嫁だ」お酒の入った親戚の前で笑われた私。だが、義祖母がかけた一声に救われた瞬間

「玄関からずっと、気が利かない嫁だ」お酒の入った親戚の前で笑われた私。だが、義祖母がかけた一声に救われた瞬間
元日の玄関で言われた
元日の昼、夫の実家の玄関はもう靴でいっぱいでした。廊下の奥からは、笑い声と食器の音が漏れてきます。
「お邪魔します。これ、皆さんで召し上がってください」
手土産の紙袋を差し出すと、義父は受け取らずに私の足元へ目をやりました。
「ずいぶんゆっくりだったな」
「すみません、道が混んでいて」
居間には親戚が10人ほど、座卓を囲んで座っています。義父の顔はもう赤く、空いた徳利が三本並んでいました。
笑い声が起きた座卓
取り皿を配り、空いたコップにお茶を注いで回りました。腰を下ろす場所を探していると、義父が声を張り上げます。
「こいつは仕事も家のことも中途半端でな」
誰かが「まあまあ」と言いましたが、義父は箸の先を私に向けました。
「玄関からずっと、気が利かない嫁だ」
座卓のあちこちで、合わせるような笑い声が起きます。夫はスマホの画面を見たままでした。
「……そうですか」
それだけ返して台所へ立とうとしたとき、上座で湯呑みの置かれる音がしました。
義祖母が置いた湯呑み
声を出したのは、義父の母である義祖母でした。八十を過ぎ、その日はほとんど口を開いていません。
「あんたが玄関で靴を揃えたのを、私は見たことがないよ」
部屋の笑い声が、途中で切れました。
「母さん、急に何を言い出すんだ」
「この子は片道3時間運転して、手土産まで持ってきた。あんたは今日、何をしたの」
義父は口を開きかけて、そのまま徳利へ手を伸ばしました。傾けても、もう何も出てきません。誰も酌をしませんでした。
「……酔ってるんだよ、俺は」
「酔っていても、言っていいことと悪いことがあるよ」
隣の義叔母が小さくうなずき、向かいの親戚も「そうよねえ」と湯呑みを置きます。義父は座布団の上で身を縮め、私と目を合わせないまま席を立ちました。
「……はっきりしてもらえて、よかったです」
私がそう言うと、義祖母は取り皿を一枚こちらへ滑らせました。
「あんたも座って食べなさい。運転してきたんだから」
帰り際、玄関で夫が小さく頭を下げました。
「あの場で、俺が言うべきだった。ごめん」
靴を履いていると、廊下の奥から義父が出てきます。目は合いません。
「……気をつけて、帰りなさい」
「はい。また伺います」
私は自分の靴を揃えてから、外へ出ました。冷たい風が、来たときより軽く感じられます。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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