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「母を病院に連れていくので、その日は予定があるんです」そう伝えた僕に、相手が平然と返してきた言葉

「母を病院に連れていくので、その日は予定があるんです」そう伝えた僕に、相手が平然と返してきた言葉

楽しかったはずの食事で、質問が少しずつ変わっていった

社会人になって一年目のころ、趣味の合う人が集まる会に参加したことがあります。その場で何人かと連絡先を交換し、そのうち話の合った一人を仕事帰りの食事に誘いました。

最初は仕事や趣味の話で盛り上がっていました。ところが、しばらくすると話題がお金のことに変わっていきます。

「そういえば、給料ってどれくらいなんですか?」

少し答えにくくて笑ってごまかしたのですが、相手はさらに聞いてきました。

「じゃあ、貯金は?けっこうしてるんですか?」

そこまで聞くんだ、と戸惑いました。僕が別の話題に変えても、しばらくするとまた収入や生活費の話に戻ります。

嫌な人だと決めつけるほどではありません。ただ、初めて二人で食事をした相手にしては距離が近すぎる気がして、その日は早めに帰りました。

数日後、その人から「また会いませんか」と連絡が来ました。前回はたまたま話題が偏っただけかもしれないと思い、仕事帰りにお茶をすることにしました。

「病院なら土曜日でもいいでしょう」

話している途中、相手から「今度の金曜日、一緒に出かけませんか」と誘われました。

ただ、その日は以前から予定が入っていました。

「母を病院に連れていくので、その日は予定があるんです」

すると相手は少し残念そうな顔をしたあと、「でも、その日にしかやってない催しなんですよ」と言いました。

僕が「今回は行けないです」と答えると、今度はさらりとこう返されました。

「病院なら土曜日もやっているでしょう。日にちを変えたらいいんじゃないですか?」

思わず言葉に詰まりました。母の通院には母なりの事情がありますし、僕が勝手に日程を動かせるものでもありません。

「いや、その予定は変えません。今回はやめておきます」

それでも何か言いたそうな様子だったので、僕は伝票を手に取りました。

「今日はここで失礼します」

店を出てから、前回感じた違和感を思い返しました。収入や貯金を細かく聞かれたことも、今回こちらの予定を簡単に変えられるものとして扱われたことも、僕には距離の取り方が合わないように感じられました。

それからは、必要のない個人的な連絡には返事をしなくなりました。相手を責めるメッセージを送ったわけでもありません。そのままやり取りは少しずつ減り、やがて途切れました。

金曜日、僕は予定どおり母を病院へ連れていきました。待合室で他愛のない話をしながら、無理に相手に合わせず、自分の予定を優先してよかったと思いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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