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「暇なら、おばあちゃんの世話をして」仕事を探していた私にそう言った親戚。だが、初めて言い返した結果

「暇なら、おばあちゃんの世話をして」仕事を探していた私にそう言った親戚。だが、初めて言い返した結果
親戚の集まりで、私だけが気まずかった
その日の集まりは、座敷に上がった瞬間から気詰まりだった。
私は仕事を探している最中で、そのことはもう親戚じゅうに伝わっていた。
運ばれてくる料理も、順に交わされる近況報告も、自分の番が回ってくるまでの順番待ちのように感じられた。
誰かが私の話題に触れかけては、やんわり別の話へ移していく。
その気遣いが、かえって私の居場所の輪郭をはっきりさせた。
祖母だけが、いつもと同じだった。
私の湯呑みにお茶を足して、よく来たねえ、と目を細める。
子どものころから、この人は私を可愛がってくれた。
空気が変わったのは、おばが私の正面に座り直したときだった。
「暇なら、おばあちゃんの世話をして」
悪気のない口ぶりだった。おばは昔から、こういう物の言い方をする人だ。
困っている人を見ると、いちばん手近な言葉で押し出してくる。ただ、暇、という一語だけが妙に固いまま耳に残った。
祖母のことは好きだ。頼まれなくても顔を出す。
それでも、手が空いているからという理由で誰かの世話を割り当てられるのは違うと思った。
「どうして、これから働こうとしている人に、そういう頼み方をするんですか」
声は震えなかった。
おばは一瞬だけ目を丸くして、それから箸を置いた。
「暇してるんだったら親孝行でもしたほうがいいに決まってるでしょ」
人生の採点表は、他人の手の中にはない
座敷が静まった。
誰も箸を動かさず、遠くで換気扇の音だけが回っていた。
悔しさよりも先に、驚きが来た。
そんな採点表を、どうしてこの人が持っていることになっているのだろう。
私は湯呑みを置いて、おばの目を見た。
「おばさんが決めることじゃないです」
「それに、今わたしが仕事を探しているのは、誰かに言われたからじゃありません。自分のためです」
声を張らなくても、静かな座敷ではよく通った。
おばは何か言いかけて、そのまま口を閉じた。
少し間があって、別の親戚が「今年の柿はよく生ったねえ」と縁側のほうへ話を振り、座敷にゆるい音が戻ってきた。
帰り際、玄関で靴を履いていると、祖母がそっと私の背中に手を置いた。
「ありがとうね」
小さな、けれど確かな声だった。
私は、また来るね、とだけ返した。世話をしにではなく、会いに行く。
そう自分で決められたことが、あの日いちばんの収穫だった。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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