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「入社1年で、妊娠したんですよ」笑いを取るつもりだった上司の祝辞。だが、会場が静まり返った理由とは

和やかだった披露宴で、上司がマイクを握った
親戚の披露宴に出席したときのことです。
新婦は私と年の近いいとこで、子どものころからよく知っていました。
当日の会場は終始和やかで、新婦も新郎も楽しそうに笑っていました。
料理が運ばれ、友人たちのスピーチも続き、親族席でも「いい式だね」と話していたほどです。
そんななか、新婦の職場の上司が祝辞のためにマイクを握りました。
その上司は普段から冗談を交えながら話すタイプだったそうで、最初は新婦の仕事ぶりを褒めながら、会場の笑いを取っていました。
「入社したばかりのころから、本当に頑張ってくれていました」
そこまでは、ごく普通の祝辞でした。
ところが話の流れで、上司は笑いながらこう続けたのです。
「入社1年で、妊娠したんですよ。いやあ、そのときは職場も大変でしてね」
本人としては、昔の苦労話を冗談めかして紹介したつもりだったのでしょう。
しかし、会場から笑い声は起きませんでした。
さらに上司は、空気に気づかないまま、「しばらく仕事を離れることになって、こちらもバタバタしました」と続けました。
それまで聞こえていた食器の音まで、急に小さくなったように感じました。
晴れの日の祝辞で、新婦の妊娠を職場の負担だったかのように語る必要があるのか。親族席でも、何人かが顔を見合わせていました。
新婦は困ったように笑っていましたが、新郎は隣から心配そうに顔をのぞき込んでいました。
式の終わり、新婦の家族が選んだ対応
上司の祝辞は、その後すぐに「これからも幸せな家庭を築いてください」という言葉で締めくくられました。
司会者も普段通りに進行を続けたため、披露宴そのものが止まることはありませんでした。
ただ、親族席にはしばらく気まずい空気が残っていました。
披露宴の終わりには、新郎新婦が出口に立ち、招待客を一組ずつ見送っていました。
友人たちは新婦と写真を撮ったり、「今日は本当におめでとう」と声をかけたりしていました。
例の上司たちが出口へ来たとき、新婦の母親もそばに立っていました。
上司は先ほどの空気をあまり気にしていない様子で、「最後に写真でも撮りますか」と声をかけました。
すると新婦の母親は、少し間を置いてから穏やかに言いました。
「今日は来ていただいてありがとうございました。お帰りもありますから、どうぞお気をつけて」
それ以上、写真を勧めることはありませんでした。
上司もそこで何かを察したのか、「そうですね」とだけ答え、新郎新婦に頭を下げて会場をあとにしました。
あとで聞いたところ、新婦はその職場に以前から少し居づらさを感じていたそうです。
ただ、この一件だけを理由にすぐ辞めたわけではなく、その後しばらくして働き方を見直し、別の職場へ移ったと聞きました。
上司に悪意があったのかどうかは分かりません。本人にとっては、場を和ませるための昔話だったのかもしれません。
けれど、お祝いの席では、笑い話にしていいことと、本人の胸の内に残しておくべきことがあります。
あの日、会場が静まり返った瞬間を思い出すたび、言葉は内容だけでなく、どこで誰に向けて話すかも大切なのだと感じます。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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