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「昨日の夜、駅前のスーパーにいたね」スポーツジムで出会っただけの男→近すぎる距離感に退会を決意
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「昨日の夜、駅前のスーパーにいたね」スポーツジムで出会っただけの男→近すぎる距離感に退会を決意
笑顔で近づいてくる会員
通っていたスポーツジムに、いつも顔を合わせる四十代後半の男性会員がいました。
すれ違うたびに軽く会釈をする、その程度の間柄です。
「今日も来てたんだね」
更衣室の前でそう声をかけられても、はじめは世間話の延長だと思っていました。
ところがある日、彼は笑顔のまま、思いがけないことを口にしたのです。
「昨日の夜、駅前のスーパーにいたね」
心臓が、ひやりと縮みました。
自宅の場所も、買い物をする時間も、彼に話した覚えなど一度もありません。
「よく行くの、あの店」
悪気のない口ぶりが、かえって不気味でした。それからというもの、ジムの帰り道でふと振り返る癖がつきました。誰かに見られているような気がして、家に着くまで落ち着かないのです。
彼は会うたびに、質問を重ねてくるようになりました。
「昨日はジムに来なかったね。どうしたの」
「いつも同じ道を歩いてるよね。気をつけたほうがいいよ」
私が曖昧に笑って言葉を濁しても、まるで気にする様子がありません。
困った顔をしてみせても、彼は一歩、また一歩と距離を詰めてきます。
「そんなに構えないでよ。心配してるだけなのに」
その心配という言葉が、いちばん怖いのだと、彼は気づいていないようでした。
悪意を向けられるより、笑顔で見張られているほうが、ずっと背筋が凍るのです。私は通う時間帯を、思い切って変えることにしたのです。
変えたはずの時間に
しばらくは、顔を合わせずに済みました。これで終わったのだと、ようやく肩の力が抜けかけた、その一週間後のことです。
「最近、時間が変わったんだね。心配したよ」
新しくずらしたはずの時間帯に、彼はまた、そこに立っていました。私が何も答えられずにいると、彼はなおも笑いかけてきます。
「前の時間には、もういなかったよね。どこか具合でも悪いのかと思って」
「なかなか会えないから、探しちゃった」
血の気が引くとは、こういうことなのだと思いました。私の行動は、どこまで見られているのだろう。自宅や職場までついて来られたら。想像しただけで、指先が冷たくなりました。
それ以上は、何も問い詰めませんでした。刺激して逆上されるのが、いちばん怖かったからです。
私はその月でジムを退会しました。
あれから二年が経ちます。それでも今も、地元の駅前を通るときは、あの笑顔とすれ違わないかと、つい足が早くなるのです。夜のスーパーの灯りが目に入るたび、あの穏やかな声が、今も耳の奥でよみがえるのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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