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「先輩を呼べ、そんなんでよく働けるな」入って間もない店員を責めた夫。だが、妻の一言で態度が一変

「先輩を呼べ、そんなんでよく働けるな」入って間もない店員を責めた夫。だが、妻の一言で態度が一変
品出しの途中で呼び止められて
学生のころ、スーパーで品出しのアルバイトをしていました。
入って二週間ほどで、担当は飲料と乾物の棚です。
段ボールを開けて並べていると、通路の向こうから中年の女性が近づいてきました。
「すみません、山椒の実の水煮って置いてますか」
聞いたことのない商品名でした。
棚の配置はおおよそ頭に入っていましたが、その一つだけがどうしても浮かびません。
「申し訳ありません。まだ入ったばかりで、すぐにお答えできず…」
女性がうなずきかけたところに、後ろから声がかぶさりました。
「先輩を呼べ、そんなんでよく働けるな」
連れの夫でした。買い物かごを腕にかけたまま、私のエプロンの胸元をじろりと見ています。
通路に響いた声
「調べてまいりますので、少々お待ちいただけますか」
「調べる前に覚えとけよ。金もらってんだろ」
声はわざと大きく、隣の通路まで届く高さでした。
カートを押していた買い物客が、足を止めてこちらを見ます。
耳の裏が熱くなり、手にした段ボールの角が汗で柔らかくなっていくのが分かりました。
通路の端では、値札を直していた別の店員が手を止めています。
「すみません、すぐに確認します」
「その、すみませんも聞き飽きたわ」
そのとき、隣にいた妻が夫の袖を軽く引きました。
夫のほうへ顔を上げ、小さく首を横に振ります。
妻が振った首
「あなた、聞いたのは私よ」
短い一言でした。夫の口が、途中で止まります。
「…いや、俺は」
「入ったばかりだって、この方が先に言ったでしょう」
妻はそう言うと、私のほうへ向き直りました。
夫は言い返そうとして、口を開けたまま視線を棚の上へ逃がします。
「ごめんなさいね。珍しい物を聞いてしまって」
「いえ、お調べしてまいります」
先輩に無線で尋ねると、調味料の棚の一番下だとすぐに返ってきました。案内した先に、その瓶は確かに並んでいます。
「あった。ここだったのね」
女性は瓶をかごに入れ、もう一度こちらに頭を下げました。夫はその後ろで、かごの持ち手を握り直したまま黙っています。
レジのほうへ歩き出す二人を見送ると、通路の空気がゆっくり元に戻りました。
「調味料の一番下。もう忘れないだろ」
先輩は段ボールをひとつ持ち上げて、通路の奥へ歩いていきます。
「次、乾物の棚いこうか」
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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