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「うちは1台分じゃ足りないんだ」駐車場で隣の区画のカラーコーンを勝手に動かした住人。だが、管理人の一言で状況が一変

隣の区画から動いた目印
引っ越してきて半年ほどたった、平日の夕方のことです。
自転車を置きに駐輪場へ回ったとき、駐車場で人の動く気配がしました。
白いセダンが枠の中へ入り、住人らしき男性が降りてきました。ここまでは、いつもの光景です。
ところが男性は、車を降りたあとも運転席の横に立ったままでした。
そして、隣の区画のカラーコーンへ手を伸ばしたのです。
契約者が目印として自分で立てている、オレンジ色のコーンでした。
男性はそれを両手で持ち上げ、自分の枠のほうへ寄せていきます。
ゴミ出しから戻ってきた別の住人が、その様子に足を止めました。
視線に気づいても、男性の手は止まりません。
悪びれる様子は、まったくありませんでした。
向かいの車の前に並んだコーン
驚いたのは、そのあとです。
男性は動かした2つのコーンを抱え、通路を挟んだ向かいまで運びます。
そして、停まっていた別の車のすぐ前に並べて置いたのです。
あの位置では、朝に車を出すときどけるところから始めなければなりません。
「そこ、出られなくなりませんか」
見ていた住人が声をかけます。
「うちは1台分じゃ足りないんだ」
「でも、そこは別の方の区画で」
「置き場所くらい、こっちで決める」
男性は自分の車へ戻り、広くなった枠を見回していました。
見回りに来た管理人
そこへ、管理人が通路を歩いてきました。バインダーを手にした、いつもの夕方の見回りです。
向かいの車の前で足を止め、2つのコーンを見ます。
それから男性のほうへ、普段と変わらない足取りで近づきました。
「区画の目印は動かさないでください。お車が入りにくいようでしたら、管理組合にご相談いただければ調整いたします」
責める調子は、どこにもありませんでした。
男性の口が、開いたまま止まります。
「……いや、これは、隣が寄せすぎてるから」
「ご相談は、管理室の窓口でお受けしますので」
続く言葉が、出てきませんでした。
管理人はコーンを一つずつ持ち上げ、もとの区画の白線の内側へ戻していきます。見ていた住人が、小さく息をつきました。
男性は車の鍵をポケットに入れ、エントランスへ歩いていきます。振り返ることは、一度もありませんでした。
翌週の日曜日、駐車場に立ち入り禁止のテープが張られました。
薄くなっていた白線が、すべて引き直されたのです。区画の角には番号が入り、幅もはっきりと分かるようになりました。
コーンを置く人は、もういません。
新しい線を見ていると、あの男性の車が枠のぎりぎりに収まっているのが目に入りました。狭くて困っていたのは、本当だったのかもしれません。
それでも向かいの車の前には、あの日から何も置かれていません。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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