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「あの子のお弁当、臭いのよ」給湯室で全員を見下していた人気者の先輩。だが、扉の外に本人がいて顔色が真っ青に

誰からも好かれる優しい先輩
その先輩は、いつもにこやかで、社内の誰からも好かれていた。
派手さはないのに、そばにいるだけで場が和む人だった。
困っている後輩がいれば、真っ先に声をかける。
「大丈夫?無理しないでね」
入社したての頃、仕事に押し潰されそうだった私も、その一言に何度も救われた。
「ここは私が代わるから、休憩しておいで」
そう言って背中を押してくれる先輩を、私は心から慕っていた。
昼休みになると、その席には自然と人が集まり、笑い声が絶えなかった。
この人だけは裏表がない。誰もがそう信じて疑わなかった。

給湯室から漏れた本音
ある日、昼休みから戻ると、給湯室から二人分の話し声が聞こえてきた。
先輩と、もう一人の先輩だ。
何気なく入ろうとした足が、途中で止まった。
「あの子のお弁当、臭いのよ」
いつもの穏やかな声で、先輩はそう言い放った。
標的にされているのは、隣の課の若い女性社員だった。
「わかる。服も古いし、見てて恥ずかしいよね」
もう一人の先輩が相づちを打つ。
すると先輩は、さらに声を落として続けた。
「隣の部署の子も正直嫌い」
次から次へと、職場の人間の名前が挙がっていく。
あんなに優しかった口から、聞くに堪えない言葉が止まらない。私は廊下で立ちすくんだ。

その時、給湯室の扉の陰に、もう一人立っている人影に気づいた。
悪口の的にされていた、あの若い社員本人だ。
お茶を淹れに来て、そのまま動けなくなっていたらしい。
手にした湯呑みが、かすかに震えていた。
物音に気づいた先輩が振り返り、扉の外の彼女と目が合った。
その瞬間、先輩の顔から、すうっと血の気が引いた。
「あ、いえ、今のは、その……」
言い訳を探して口を開くが、言葉が続かない。
にこやかだった表情は崩れ、視線が宙をさまよう。
やがて先輩は、うつむいて黙り込んでしまった。
「全部、聞こえていました」
若い社員はそれだけ言って、静かに立ち去った。
相づちを打っていたもう一人も、気まずそうに目を伏せている。

その出来事は、その日のうちに職場中へ広まった。
翌日から、あんなに人が集まっていた先輩の席は、少しずつ人が寄りつかなくなっていった。
誰かが近づいても、当たり障りのない言葉を交わすとすぐに離れていく。
廊下ですれ違っても、みんなさりげなく視線を外す。
誰からも好かれていたはずの人は、自分の言葉で、その信頼をすべて失っていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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