Share
「こういうこと、普段は言わないけど」披露宴の最後。無口な友人が手紙を読み始めた理由とは

「こういうこと、普段は言わないけど」披露宴の最後。無口な友人が手紙を読み始めた理由とは
普段は、気持ちを言葉にするタイプではなかった
学生時代からの友人の結婚式に招かれたときのことです。
新郎である友人は、昔からあまり感情を表に出すタイプではありませんでした。うれしいことがあっても大げさにはしゃがず、落ち込んでいても自分から話すことはほとんどありません。
そのため、披露宴も最後までいつもの彼らしく、少し照れながら笑っているだけだろうと思っていました。
ところが終盤、新郎の挨拶になったとき、友人はポケットから折りたたんだ紙を取り出しました。
「こういうこと、普段は言わないんですけど。今日は読ませてください」
そう言うと、新婦のほうを見てから、ゆっくり手紙を読み始めたのです。
手紙に書かれていた、何気ない出来事
手紙には、二人が結婚するまでの出来事がいくつか書かれていました。
なかでも私が覚えているのは、友人が仕事で落ち込んでいた時期の話です。
転職するかどうか悩み、家に帰ってもほとんど話さなくなっていた時期があったそうです。それでも新婦は無理に理由を聞かず、いつも通り夕食を用意していたといいます。
ある晩、友人が「仕事、辞めるかもしれない」と初めて話したときも、新婦は驚くことなく、「じゃあ、次を一緒に考えよう」と返したそうです。
「あのとき、何も責めずにそう言ってくれたのが、すごくありがたかったです」
友人はそこで少し言葉を止めました。
泣いて読めなくなるほどではありません。ただ、いつもより声が小さくなり、何度か紙に目を落としていました。
「ちゃんと言ったことがなかったので。支えてくれて、ありがとう」
新婦は照れたように笑いながら、小さくうなずいていました。
特別な言葉より、普段言えない一言だった
会場から大きなどよめきが起きたわけでもありません。近くの席から「いいね」と小さな声が聞こえ、そのあと自然に拍手が起こりました。
私が印象に残ったのは、手紙そのものよりも、普段そういう話をしない友人が、自分から感謝を伝えようとしていたことです。
学生時代から知っている私でも、彼があれほど素直に気持ちを話す姿は初めて見ました。
結婚式の帰り道、私も少しだけ考えました。
家族や友人など、近くにいる人ほど「分かっているだろう」と思って、感謝を言葉にしなくなることがあります。
大げさな手紙を書く必要はなくても、「ありがとう」と伝えられるときには伝えておいたほうがいい。
あの日の友人を見て、そんな当たり前のことを改めて感じました。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


