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「レジの中で、ぐっと近づかれて」立場が上だからと愛想笑いで流し続けた私が、辞めた後も怖かった理由

「そんなに離れなくてもいいでしょ」世話好きな先輩との距離感に、愛想笑いで合わせ続けた私の本音
よく話しかけてくれる先輩だった
コンビニでアルバイトをしていた頃の話だ。
私より十歳ほど年上の女性スタッフがいて、新人だった私にもよく声をかけてくれた。仕事を教えるのも丁寧で、分からないことがあればすぐに助けてくれる。店の中では、面倒見のいい先輩として頼られていたと思う。
ただ、ひとつだけ苦手なことがあった。
その人は、人と話すときの距離がかなり近かった。
レジの中で隣に立つと、肩が触れそうなところまで寄ってくる。最初はカウンターの内側が狭いからだと思っていたが、お客さんが少ない時間でも変わらなかった。
「休みの日って何してるの?」
「家、この辺なんでしょ?」
雑談のつもりなのだろう。ほかのスタッフにも似たようなことを聞いていて、本人に悪気があるようには見えなかった。
ただ、私はもともと私生活のことをあまり話したくないタイプだった。
曖昧に笑って答えると、「じゃあ家族と住んでるの?」とさらに質問が続く。少しだけ後ろへ下がると、その人も自然に一歩近づいてくることがあった。
「そんなに離れなくてもいいでしょ」
冗談っぽく笑われ、私も「すみません」と笑ってしまった。
嫌だったというより、どう返せば角が立たないのか分からなかった。
悪い人ではないからこそ、言いづらかった
その人は店では古株で、新人への指導やシフトの相談も任されていた。
仕事では何度も助けてもらっていたし、「もう少し離れてください」と言えば、こちらが神経質だと思われるのではないか。そんなことを考えて、結局いつも愛想笑いで済ませていた。
ある日、休憩室で同じ時間帯に働いていたスタッフと雑談していると、その先輩の話になった。
「あの人、距離近いよね」
相手が何気なくそう言ったので、少し驚いた。
「やっぱりそう思います?」
「うん。でも本人はたぶん、仲良くしてるつもりなんだと思う」
その言葉を聞いて、少し納得した。
私だけを狙って近づいていたわけではない。ただ、人との距離の取り方が私とはかなり違っていただけなのだろう。
その後、別の仕事が決まり、私は数か月後に店を辞めた。
最後の日、その先輩は「次のところでも頑張ってね」と普通に送り出してくれた。
辞めてしばらくしてから店の近くを通ったとき、ふと「あの人、まだ働いているかな」と思った。同時に、もし偶然会ったら、また以前と同じ距離で話しかけられるのかな、と少し身構えた自分もいた。
親切にしてもらったことと、距離感が苦手だったことは、どちらも本当だ。
悪い人ではないからこそ、「少し近いです」の一言が最後まで言えなかった。そのことだけは、今でもときどき思い出す。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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