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「遅くてすみません」レジで会計に時間がかかった客。だが、店員と並んでいた客の優しい一言で場が和んだ

「遅くてすみません」レジで会計に時間がかかった客。だが、店員と並んでいた客の優しい一言で場が和んだ
夕方のレジに延びた長い行列
仕事帰りに立ち寄った近所のスーパーは、夕方の買い出し客でどのレジも長い列ができていました。
私が並んだ列のいちばん前にいたのは、小柄で品のいい年配の女性です。会計の番になり、財布から小銭を取り出そうとしたのですが、その指先がなかなか思うように動きません。
一枚つまんでは取り落とし、また数え直して、レジ台の上で硬貨をそろえるのに、ずいぶんと時間がかかっていました。
後ろに延びる列は、どんどん長くなっていきます。ちらりと腕時計に目をやる人、小さくため息をつく人。夕飯の支度を控えて、一分一秒でも早く帰りたい時間帯です。
急いでいる気持ちは、私にも痛いほど分かりました。
女性自身が、いちばん焦っていたのでしょう。肩をすぼめ、震える指で財布の中をのぞき込みながら、消え入りそうな声を漏らします。
「遅くてすみません」
ぴりぴりと張り詰めた空気が、レジの周りにじわりと漂い始めました。誰かが「早くして」と口にすれば、この人はもっと縮こまってしまう。そう思って、私は思わず身構えてしまいました。
店員の一言で和んだ列
ところが、レジの若い店員さんは、急かすどころか、やわらかい笑顔でこう声をかけたのです。
「ゆっくりで大丈夫ですよ」
その一言に、女性のこわばった表情が、ふっとゆるみました。ほっとしたように顔を上げて、女性は小さな声で打ち明けます。
「最近、手が動きにくくてね。ごめんなさい」
店員さんは、少しも困った顔を見せませんでした。それどころか、いっそう明るい笑顔で、こう返したのです。
「気にしないでください。皆さんに買い物を楽しんでいただくのが、私の仕事ですから」
その言葉を聞いて、張り詰めていた列の空気が、すっとほどけていくのが分かりました。
すると、さっきまで時計を気にしていた後ろのお客さんまでもが、穏やかな声をかけ始めたのです。
「どうぞ、ごゆっくりで大丈夫ですよ」
「慌てなくていいですからね」
誰ひとり急かす人はいなくなり、みんなが女性の手元を、静かに温かく見守っています。やがて硬貨を数え終えた女性は、深く頭を下げました。
「本当に、ありがとうございました」
「お気をつけて、またいらしてくださいね」と、店員さんは笑顔でその背中を見送ります。
たったひとつの優しい一言が、とげとげしくなりかけた夕方のレジを、こんなにも温かくほどいてくれる。人の思いやりに触れたその光景は、帰り道もずっと、私の胸に温かく残ったのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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