MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「なんでこんなに、長いの!」法事で子どもが放った一言。だが、お坊さんの一言で空気が和んだ

「なんでこんなに、長いの!」法事で子どもが放った一言。だが、お坊さんの一言で空気が和んだ

久しぶりの親族の集まり

先日、母方の親戚の法事があり、遠方に散らばって暮らしていた親族が、久しぶりに一堂に会しました。

私にとっては、めったに顔を合わせない親戚たちと再会できる、年に一度あるかないかの大切な機会でもあります。

子どもの頃によく遊んでもらった従兄の顔もあり、会場は始まる前から、どこか和やかな空気に満ちていました。

お寺の本堂には線香の香りが満ち、誰もが背筋を伸ばして静かに座っていました。

やがて袈裟をまとったお坊さんが入ってこられ、朗々とお経が始まります。物音ひとつしない、張りつめた厳かな時間でした。

静けさに響いた声

そんな厳粛な空気の中で、どうしてもじっとしていられなかったのが、いとこの小さな子でした。

まだ三歳になったばかりで、長く続くお経のあいだ、退屈そうに何度もあくびをしては、もぞもぞと体を揺らしていたのです。

母親がそのたびに小声でなだめていましたが、幼い子に、お経の意味などわかりようもありません。

そして、なかなか終わらないお経に、とうとう我慢の限界がきたのでしょう。

その子は、本堂じゅうに響きわたる大きな声で、思ったままを口にしました。

「なんでこんなに、長いの!」

私の記憶に、今もはっきりと焼きついているのが、この場面です。

あまりに無邪気なひと言に、居並ぶ大人たちは一瞬、凍りついたように黙り込みました。

その子の母親は青ざめ、あわてて我が子の口をふさごうとしています。

お坊さんの優しい一言

誰もがどうしたものかと身を固くした、まさにその時でした。

お経を止めたお坊さんが、ゆっくりと振り返り、その子に穏やかなまなざしを向けたのです。

叱るのではなく、やわらかく微笑みながら、こう語りかけてくださいました。

「これはね、ご先祖さまとゆっくりお話ししている時間なんだよ」

そのひと言に、張りつめていた場の空気が、ふっとやわらかくゆるみました。

子どもは不思議そうに首をかしげ、大人たちの顔には、こらえきれない笑みが少しずつ広がっていきます。母親も、ほっとしたように肩の力を抜いていました。

厳かなだけの場を、子どもの飾らない素直さと、それを大きく包み込むお坊さんのひと言が、こんなにも温かく変えてくれる。

堅苦しいばかりだと思っていた法事が、忘れられないひとときになった瞬間でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「さっさと会計しろよ、幾らなんだ」床に小銭を投げつけた客。その後、レジで並んでいた客がかけた言葉とは

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking