MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「私が全部伝える、みんなは関わらなくていいよ」私を孤立させようとしていた同僚。だが、先輩の言葉をきっかけに状況が一変

私が全部伝えるみんなは関わらなくていいよ私を孤立させようとしていた同僚だが先輩の言葉をきっかけに状況が一変

何でも知っている同僚

今の仕事に就いて、二十五年になります。

その四年目に、私と同い年の女性が新しく入ってきました。

その人は、なぜか私に強い関心を寄せていました。

嫌われていたのではありません。

むしろ、好かれていたのだと思います。同じ性別ですから、恋愛の感情ではなく、執着に近いものでした。

私が今日どこへ行き、誰と何を話したのか。

教えた覚えのないことまで、あの人はいつも把握していました。

とりわけ不思議だったのが、連絡のことです。

私が別の部署の人へ用事を伝えると、なぜか後から、あの人のほうから私に折り返しが来るのでした。

「その件なら、私が代わりに聞いておいたから」

いつもそう言って、笑っていました。

理由が分からないまま、私はただ、面倒見のいい人だと受け止めていたのです。

先輩の一言

流れが変わったのは、当時いっしょに働いていた先輩の、ひとことでした。

「あの人、あなたのことを、良くも悪くも言ってる。今すぐ離れて」

ふだん、人の噂を口にしない先輩でした。

その人がめずらしく声を潜めて、まっすぐ私を見ていたのです。

言われて初めて、私はあの数々の折り返しを思い返しました。

私が誰かと直接つながろうとするたび、あの人があいだに入ってきていた。

そのことに、ようやく思い至りました。

思い切って、私は自分の足で別の部署へ向かいました。

すると、そこで働く人が、少し困った顔で教えてくれたのです。

「私が全部伝える、みんなは関わらなくていいよ」

あの人は、みなにそう言って回っていたのだそうです。あの子は忙しいから、と。

そうやって、私と周りのあいだを、静かに一本にしぼっていたのでした。

戻ってきたつながり

悪気は、たぶん無かったのだと思います。だからこそ、背筋がすっと冷たくなりました。

けれど、気づいてしまえば、あとは早いものでした。

私は少しずつ、あの人を通さずに、自分の言葉で周りと話すようにしていきました。

すると、これまで届かなかった声が、いくつも返ってきたのです。

前から直接話したかった、と言ってくれる人までいました。

あの人は、私が離れていくのを察したのでしょう。

呼び止める回数がだんだん減り、やがて、私の一日を言い当てることもなくなりました。

今はもう、あの人と連絡を取ることはありません。長いあいだふさがれていた窓が、いっぺんに開いたような心地でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「12時に帰ると、必ずロビーにいるの」会社の寮で待ち続ける男→気味が悪いと感じた私が下した決断とは

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking