Share
「いつもあんな時間に帰ってきて、迷惑なのよ!」怒鳴る上階の女性。だが、私の証言で誤解が解けた瞬間
INDEX

昼下がりの怒鳴り込み
以前住んでいたマンションでの出来事です。
私は一階の部屋に住んでいて、真上には中年の女性が暮らしていました。
仕事の帰りが夜遅くなることが多かったので、生活音には人一倍気を使っていました。ドアはそっと閉め、深夜は足を忍ばせて歩き、洗濯機も朝まで回さない。
近所迷惑にならないよう、細心の注意を払う毎日でした。
休日の昼、久しぶりにゆっくり過ごしていると、突然インターホンが鳴りました。
ドアを開けると、立っていたのは真上の女性です。彼女はいきなり、烈火のごとくまくし立ててきました。
「毎晩あなたの物音で眠れない」
「いつもあんな時間に帰ってきて、迷惑なのよ!」
まったく身に覚えがなく、私は面食らいました。あれだけ気をつけているのに、なぜ。ここで感情的に言い返しても解決しないと思い、その日はひとまず頭を下げてその場を収めました。
(本当に、私の音なんだろうか)
腑に落ちないまま、私はその日から静かに準備を始めることにしました。泣き寝入りだけは、したくなかったのです。
記録が明かした真実
翌日から、帰宅時刻を毎日メモに残しました。仕事のタイムカードの控えも手元にそろえ、自分が部屋にいた時間をはっきりさせておいたのです。
そのうえで管理会社にも相談し、これまでの経緯を書面で伝えました。
一週間後、管理会社の担当者立ち会いのもとで、上階の女性ともう一度話す場が設けられました。私はそろえた記録を、そっと机の上に差し出しました。
「その時間、私は職場です」
メモとタイムカードには、彼女が「うるさい」と訴える深夜の時間帯、私が毎日まだ会社にいた事実がずらりと並んでいました。
日付ごとの記録を一枚ずつめくって見せると、女性の顔から、みるみる血の気が引いていきます。
「え…じゃあ、あの音は……」
担当者がほかの部屋にも確認を取ると、騒音の正体は、彼女の隣に住む住人の生活音だと分かりました。
音のする方向を勘違いして、私に怒鳴り込んでいたのです。女性は言葉に詰まり、しばらくうつむいたまま動けませんでした。やがて、小さな声を絞り出します。
「……ごめんなさい。勝手に決めつけて」
決めつけで怒鳴り込んできた人が、はっきりと非を認めた瞬間でした。担当者も、静かにうなずいています。
「疑いが晴れて、よかったです」
私はそれだけ伝えました。それからというもの、廊下ですれ違うたびに睨んできた女性は、今では気まずそうに目を伏せ、小さく会釈してくるようになりました。
面倒でも記録を残しておいて、本当によかった。そう心から思える出来事でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


