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「お婆ちゃん!何してるの?」10年音沙汰なかった亡き祖母。同夜に見た同一の夢とは

10年待っても夢に出てくれなかった、母方の祖母のこと
昔から「夢枕」という言い方を耳にする。
亡くなった方が夢に現れる現象のことだ。
私自身、その夢枕をかなり頻繁に体験してきた人間で、舞台はいつも決まって昭和レトロな造りの家の玄関先だった。
亡くなってから2日から3日のあいだに現れる人がほとんどで、1週間以上空いた例はほぼ記憶にない。
ところが、母方の祖母が亡くなった時だけは、いくら待っても夢に出てきてくれなかった。
亡くなった直後はもちろん、四十九日も一周忌も、いつもの玄関先には誰も立たない。
一抹の寂しさを抱えたまま気がつけば10年が経っていて、もう来てくれないのだろうとどこかで諦めかけていた頃の話だ。
トレヴィの泉のような温泉で、祖母が平泳ぎで近づいてきた夜
その夜の夢は、これまでの夢枕とまるで違っていた。
広い屋外に大きな噴水の彫刻が立ち並び、その足元の水盤がそのまま温かい温泉になっている、不思議な場所だった。湯気の向こうにイタリアのトレヴィの泉そっくりの石像群が見え、祖母以外にも何人かの湯客がゆったりと身を沈めている。
私はその湯の縁に立ち、湯気の向こうに見覚えのある白髪の頭を見つけた。
「お婆ちゃん!何してるの?」
声をかけると、祖母はにっと笑い、湯の中で平泳ぎを始めて、ゆっくりこちらへ向かってきた。
これまで決まって昭和レトロな玄関先にしか現れなかった人が、ヨーロッパ風の彫像と湯気に囲まれて泳いでいる。
しかも亡くなってから、もう10年近くが経っている。眠りながらどこかで、これは普段の夢枕とは違う、と感じていた。
母に打ち明けた瞬間、私と全く同じ夢を見ていたと分かった
朝起きてからも夢の輪郭が驚くほどはっきり残っていて、しばらく寝室の天井を見つめていた。
あまりに奇妙だったので、後日、母に電話で恐る恐る打ち明けてみることにした。
トレヴィの泉のような場所だったこと、温泉になっていたこと、祖母が平泳ぎでこちらに向かってきたこと。
話しはじめると、受話器の向こうの母が一瞬黙り込んだのが伝わってきた。
「お母さんも、全く同じ夢、見てた」
場所も、湯気の様子も、平泳ぎする祖母の表情も、こちらが思い出せる範囲では何ひとつズレていなかった。
母も同じ晩に、同じ温泉の縁に立っていたのだという。事前にこの夢の話をしたことは一度もなかったし、トレヴィの泉のような温泉という発想自体、二人とも普段の生活で出てくる言葉ではない。10年待たされて、ようやく現れた祖母が、なぜ親子の枕元を同時に訪れたのか。説明できる答えは、いまも持っていない。それでも、寂しがらせた詫びを兼ねて遊びに来てくれたのだろうと、勝手に解釈している自分がいる。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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