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「こんにちは」1年間返事をしなかった隣の家族→音もなく消えた瞬間、背筋が凍った

「こんにちは」1年間返事をしなかった隣の家族→音もなく消えた瞬間、背筋が凍った
通路で1年すれ違い続けた無言
1年ほど前、空き部屋だった隣の隣に新しい家族が入居した。
息子と同い年くらいの男の子もいたから、エレベーター前で出くわした朝に声をかけた。
「こんにちは」
母親と思しき女性は私の顔をちらっと見てから、すぐに目を伏せた。
男の子も同じように俯いて、小さく頭を下げただけで通り過ぎていく。
挨拶は返ってこない。聞こえなかったのかもと思って、別の朝にもう一度声をかけた。
反応は同じだった。三度目も、四度目も。
私だけに対する態度なのかと思い、別の住人と廊下で話す姿を観察してみたが、母親は誰に対しても会釈だけで言葉を発しない。
男の子もまた、エントランスで顔見知りの子に話しかけられても、口元を引き結んだまま視線を母親の足元に固定し続けていた。
幼稚園の便りに新入園児として顔写真が載っていて、息子の同じクラスだと知った。
担任に聞くと「とても静かなお子さんです」とだけ返ってきた。
私の方から世間話を振っても、母親は曖昧に頷くだけで会話が続かない。
怒っているわけでも嫌っているわけでもなさそうなのに、扉一枚分の距離がどうしても縮まらなかった。
参観日で隣の席になっても、母親は終始下を向いて、配布資料の角を指でなぞっていた。隣家であることを伝えてみても、表情はほとんど動かなかった。
春休みに気づいた無音の退去
「最近、廊下で会わないね」
春休みに入って数日経った頃、夫にそう呟いた。
気になって隣の隣の玄関前まで歩いてみる。表札は外れていた。ベランダ側に回ると、室外機が撤去されてコンクリートの跡だけが残り、カーテンレールには布の一枚もかかっていなかった。
完全な空室だった。郵便受けの差込口にも何も残っておらず、表札差しはガムテープを剥がした粘着の跡だけが白く浮いていた。
私は在宅の時間が長い。
外出しても1時間程度。引っ越し業者の足音も家具を運ぶ音も、ガムテープを剥がす音さえ一度も聞いていない。
それなのに、いつの間にか家ごと消えていた。マンションの管理人室に問い合わせたが、退去届の提出日も短く、業者の出入りも夜間に短時間で済ませたらしく、警備カメラには台車が一度通る映像が残っているだけだった。
1年間、こちらが何度声をかけても返事をしなかった家族。
その家族が、別れの挨拶どころか引っ越しの気配すら残さずに、音もなく部屋から消えていた。背筋がすっと冷えた。
あの会釈は何だったのか。同じクラスの母親として築こうとした距離は、最初から成立する気のないものだったのか。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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