Share
「勝手にプールに入れましたね」仲が良かったママ友。だが、お礼も言わない関係に距離をとった瞬間

斜め向かいの家から飛び込んできた私服の子
斜め向かいに住む家とは、子ども同士が同い年だったこともあって自然に行き来する関係だった。
鍵を預けるほどではないが、夕方の立ち話に困らない距離感のご近所さん。
子どもが幼稚園の年中に上がった夏、我が家の庭にビニールプールを膨らませて自分の子だけを遊ばせていた日のことだ。
門扉を勝手に開けて飛び込んできたのが、斜め向かいの家の子だった。
Tシャツに半ズボン、足元はサンダル。
挨拶もないまま「入る」と一言だけ言い、私が止める間もなく私服のままプールに腰まで漬かった。
30分待っても親は呼びに来ない。
1時間経っても玄関のチャイムは鳴らなかった。仕方なくバスタオルで体を拭き、濡れた服のままその子を玄関まで連れていった。
「勝手にプールに入れた」と言われた翌週
翌週、回覧板を渡しに行った私に、相手の母親は玄関先で腕を組んだまま口を開いた。
「勝手にプールに入れましたね」
抑揚のないその一言に頭の中が真っ白になった。
許可なく入ってきたのはあなたの子で、1時間迎えに来なかったのもあなただ。
喉まで出かかった反論を飲み込み、近所トラブルを避けたい一心で「次は声をかけ合おうね」とだけ笑って引き上げた。
相手はその夏が終わるまで一度もお詫びの言葉を寄越さなかった。
子どもたちが中学に上がり、同じ部活に入った。
あちらの父親は夜勤が多く、母親は車を運転しない家庭。
私は朝練の集合場所まで自然と二人を一緒に乗せて出るようになり、週に何度も続いた。
他の家庭では送迎の日にお菓子や飲み物を子どもに持たせて気持ちを示すのが暗黙のルールだったが、あちらだけは半年経ってもお礼の言葉ひとつ出ない。
遠慮がちに「他のお母さんたちは何か持たせてくれるよ」と伝えると、彼女は携帯から目を上げないまま淡々と返した。
送迎御礼を断られ続けた斜め向かいの家
「いつも乗せていってあげてるのに、そういうのキリがないからやめた方がいい」
乗せていってもらっているのはどう見てもあちらだ。
耳を疑った私が黙り込んだ翌週から、彼女は集合場所への子どもの送り出しすら「お願いします」の一言を省くようになった。
帰りは私が手配する別の人に任せきりで、誰が乗せて帰ってきたのかも把握していない様子だった。
私は静かに自分の運転当番を別ルートに振り替え、それ以降は最低限の挨拶と回覧板だけで関わっている。
8年付き合った斜め向かいの家とは、玄関先で軽く頷くだけの距離になった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


