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「みなさん、後ろに並んでますよ」昼休みの売店でレジ前に入った人が、一言で最後尾へ向かった瞬間

昼休みになると、勤務先の売店には列ができる
勤務先のビルには、小さな売店があります。昼休みになると、パンやおにぎり、飲み物を買う人が一気に集まり、レジの前には毎日のように長い列ができていました。
その日も、私は昼食を買うために列の後ろに並んでいました。売店はそれほど広くなく、商品棚の間を縫うように列が続き、最後尾は入口近くまで伸びています。
「今日は混んでますね」
前に並んでいた同僚が振り返り、小さく笑いました。
昼休みは限られていますが、みんな同じ条件です。列は少しずつ進んでいたので、私も特に気にせず順番を待っていました。
そのとき、一人の男性が売店に入ってきました。
男性は飲み物を一本手に取ると、そのまま商品棚の横を通り、レジの前へ向かいます。列が棚の陰まで続いていたため、もしかすると列の存在に気づいていなかったのかもしれません。
しかし、そのまま会計をしようとレジ前に立ったため、並んでいた人たちの視線が一斉にそちらへ向きました。
「あれ……」
前にいた同僚が小さくつぶやきました。
私も声をかけるべきか迷いました。わざと割り込んだのか、それとも本当に列が見えていなかっただけなのか分かりません。昼休みの売店で揉めるのも嫌で、結局何も言えずにいました。
責めるのではなく、列の存在を伝えただけだった
男性が商品をレジ台に置こうとした、そのときです。
列の中ほどにいた男性が、少しだけ声を張りました。
「すみません。みなさん、後ろに並んでますよ」
怒った口調ではありませんでした。割り込んだと決めつけるわけでもなく、ただ後ろに列があることを知らせるような言い方でした。
レジ前にいた男性は、一瞬きょとんとした表情を見せました。
「あ、すみません」
振り返って入口のほうを見ると、ようやく長い列に気づいたようです。男性は商品を持ったままレジを離れ、そのまま最後尾へ歩いていきました。
注意した人も、それ以上は何も言いませんでした。
「次の方どうぞ」
店員さんの声がして、止まっていた列が再び進み始めます。
大きな言い争いになることもなく、周囲から笑い声が起こることもありませんでした。ほんの数十秒後には、売店はいつもの昼休みの雰囲気に戻っていました。
私も自分の番を待ちながら、先ほどの言葉を思い返していました。
「割り込まないでください」と強く言わなくても、事実だけを伝えれば相手に届くこともある。あのときの落ち着いた一言を聞いて、言い方ひとつでその場の空気はずいぶん変わるものだと感じた出来事でした。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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