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「まだ来てないんだね」大幅に遅れて私服で現れた友人。だが、花嫁が笑顔でかけた一言とは

友人席の椅子が、ひとつだけ空いていた
数年前、友人の結婚式に出席したときのことです。披露宴会場には丸いテーブルが並び、開宴前からあちこちで楽しそうな会話が聞こえていました。
ところが、新婦側の友人席には、ひとつだけ空いた椅子がありました。
「まだ来てないんだね」
同じテーブルの友人が、小さな声で言いました。席札もグラスもそのままです。
新郎新婦が入場し、乾杯が終わっても、その席の主は現れませんでした。
実はその友人は、当日になって仕事先で急な対応が入り、予定していた時間に会場へ向かえなくなっていたそうです。
新婦には連絡を入れていたものの、いつ到着できるかまでは分からない状態だったと、あとから聞きました。
披露宴が半ばを過ぎたころ、入口付近に動きがありました。
スタッフに案内されて入ってきたのは、空席になっていた友人でした。
ただ、周囲の華やかな服装とは少し違いました。友人は仕事先から直接駆けつけたため、結婚式用の服に着替える時間もなく、普段着に近い格好だったのです。
本人もかなり気にしているようで、できるだけ目立たないように頭を下げながら席へ向かっていました。
「間に合ったんだ」
近くの友人が、ほっとしたようにつぶやきました。
花嫁が最初に口にしたのは、服装のことではなかった
少しして、新郎新婦が各テーブルを回る時間になりました。
花嫁が私たちのテーブルに来ると、遅れて到着した友人はすぐに立ち上がりました。
「本当にごめん。こんな格好で来ちゃって」
申し訳なさそうに何度も頭を下げます。
すると花嫁は、服装を見るより先に友人の顔を見て、笑いました。
「来てくれてありがとう。大変だったでしょう」
友人は少し驚いたような顔をしました。
「着替える時間もなくて……本当にごめんね」
それでも花嫁は首を横に振りました。
「そんなの気にしなくていいよ。来られないかもしれないって聞いてたから、顔を見られてうれしい」
責めるような言葉はひとつもありませんでした。
友人はようやく緊張がほどけたように笑い、「本当におめでとう」と花嫁に声をかけていました。
披露宴が始まったころ、ひとつだけ空いていた椅子。その席が埋まったことを誰より喜んでいたのは、きっと花嫁だったのだと思います。
事情を知らなければ、遅刻や服装だけを見て驚いてしまうこともあります。けれど、その人がなぜそうなったのかは、外から見ただけでは分かりません。
あの日の花嫁の「来てくれてありがとう」という一言を思い出すたび、相手の事情を知ろうとすることの大切さを感じます。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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