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「香典って、みんな何万円包んだ」法事の席で金額を尋ね始めた親族。だが、年長者がかけた一言で空気が一変

「香典って、みんな何万円包んだ」法事の席で金額を尋ね始めた親族。だが、年長者がかけた一言で空気が一変
穏やかだった会食で、突然お金の話が始まった
去年、母方の伯父の法事に出席したときのことです。読経を終えたあと、親族15人ほどで食事を囲んでいました。
久しぶりに顔を合わせる人も多く、最初は近況を尋ねたり、伯父との思い出を話したりしていました。
「昔から、ああいうところがあったよね」
誰かがそう言うと、周囲から小さな笑い声が起こります。しんみりしすぎることもなく、かといって騒がしくもない。故人を思い出しながら過ごす、穏やかな時間でした。
そんな中、伯父の弟が、ふいに周囲を見回して言いました。
「香典って、みんな何万円包んだ?」
私は一瞬、聞き間違えたのかと思いました。
それまで聞こえていた会話が途切れ、何人かが箸を止めます。隣に座っていた親族が、小さな声で言いました。
「そういうのは、人それぞれでしょう」
ところが男性は、特に気にする様子もありません。
「いや、次にこういうことがあったときの参考にしたくてさ。みんなどのくらいなのかなと思って」
本人に悪気はなさそうでした。ただ、だからといって、その場で答えやすい質問ではありません。
金額を口にすれば、自然と誰が多い、誰が少ないという話になってしまいます。親族たちは困ったように目を合わせながらも、誰も答えませんでした。
それでも男性は、「1万円くらい?」「もっと包むものなのかな」と話を続けます。
私は、せめて今日でなくてもいいのではないかと思いながら、黙って湯呑みに手を伸ばしました。
年長の親族が、静かに話を止めた
少し気まずい空気が広がり始めたころ、男性の向かいに座っていた年長の親族が、静かに口を開きました。
「金額の話は、今日はやめておこう」
男性がそちらを見ます。
「せっかくみんなで集まったんだから、今日は兄貴の話をしよう」
叱るような言い方ではありませんでした。ただ、それ以上続けさせないことだけは、はっきり伝わる声でした。
男性は少し黙ったあと、「そうだな」と短く答えました。
その直後、別の親族が伯父との昔話を始めました。
「そういえば、昔みんなで旅行に行ったときさ……」
すると、先ほどまで黙っていた人たちも少しずつ会話に戻っていきます。男性もその話を聞きながら笑い、それ以降、お金の話を持ち出すことはありませんでした。
帰宅してからも、私はあの場面を思い出しました。
男性は単純に相場が知りたかっただけなのかもしれません。けれど、親族が集まる法事の席では、金額の話ひとつでも誰かを比べるような空気になってしまうことがあります。
大きな言い争いになる前に、「今日は故人の話をしよう」と静かに話題を戻した親族の一言が、今でも印象に残っています。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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