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「その格好で大丈夫なのだろうか」私服で葬儀に来ていた女性。だが、服装だけを見ていた自分が恥ずかしくなったワケ

「その格好で大丈夫なのだろうか」私服で葬儀に来ていた女性。だが、服装だけを見ていた自分が恥ずかしくなったワケ
参列者は、ごく身近な人だけだと聞いた
1年ほど前、長く付き合ってきた友人が亡くなった。
知らせてくれたのはご主人だった。電話口の声は落ち着いていたけれど、ときどき言葉が途切れた。
「本人の希望もあって、小さな家族葬にすることにしました」
参列するのは、ご主人と息子さん2人、数人の親族。それに、生前親しくしていた人が何人かだけだという。私も、その中のひとりとして声をかけてもらった。
友人は明るくて世話好きで、知り合いも多い人だった。だから最初は、そんな少ない人数で見送ることに、少しだけ寂しさを感じた。
けれど、ご主人は静かに言った。
「大勢に来てもらうより、最後は身近な人たちと過ごしたいって、前から話していたんです」
その言葉を聞いて、私は何も言えなくなった。
服装よりも、そこに来たことのほうが大切だった
当日、会場には前のほうにだけ椅子が並べられていた。
参列者は本当に少なく、名前を確認しなくても、誰が来ているのか分かるほどだった。
その中に、喪服ではない人がひとりいた。暗い色の普段着に、黒いスニーカー。周囲が喪服だっただけに、最初はどうしても目に入った。
正直に言えば、一瞬だけ「その格好で大丈夫なのだろうか」と思った。
けれど、その人は席に着いてからずっと俯き、読経が始まると背筋を伸ばして手を合わせていた。
事情があって喪服を用意できなかったのかもしれない。急いで駆けつけたのかもしれない。そう考えると、服装だけを見ていた自分が少し恥ずかしくなった。
式が終わり、最後のお別れの時間になった。
ご主人が棺のそばに立ち、友人の顔をしばらく見つめていた。続いて息子さんたちや親族が花を手向けていく。
最後に息子さんのひとりが、静かに声をかけた。
「母さん、今までありがとう」
大きな声ではなかった。それでも、静かな会場だったからこそ、その一言がまっすぐ胸に届いた。
ふと見ると、黒いスニーカーを履いていた人も、少し離れた場所から深く頭を下げていた。
その姿を見たとき、人数が少ないことも、服装が揃っていないことも、もう気にならなくなっていた。
帰り際、ご主人が私に頭を下げた。
「来てくださって、ありがとうございました」
「こちらこそ、呼んでくださってありがとうございました」
立派な祭壇や大勢の参列者がなくても、見送る気持ちまで小さくなるわけではない。あの日の静かな式を思い出すたび、私はそう感じている。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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