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「順番に当番をしても、追いつかない」総会で撤去してくださいと訴えた女性。翌月の総会で見せた顔

総会で立ち上がった人
町内会の総会は、公民館の畳の部屋で開かれます。その日の三つ目の議題が、ゴミ捨て場のことでした。
手を挙げたのは、その集積所の真向かいに住んでいる女性です。立ち上がってから、一度だけ息を吸いました。
「順番に当番をしても、追いつかない」
声が大きかったので、後ろのほうで小声で話していた人まで黙りました。
「こんな状態が続くなら、ごみ捨て場自体を撤去してください」
畳の部屋が静かになりました。それでも、大げさだと言う人はいませんでした。彼女がいちばん近くで毎朝片づけているのを、その場の全員が知っていたからです。
駅と逆の方向にある置き場
集積所には、決められた日でも時間でもないときに袋が置かれていきます。夕方に出された袋がひと晩そこにあれば、朝には口が開いていました。
置いていくのは、近くのマンションに住んでいる人たちでした。
ただ、意地悪でやっているわけではないという話が、その場で出ました。
「あそこ、専用の置き場は建物の裏側なんですよ」
役員の一人が地図を広げます。マンションの置き場は、駅とちょうど反対側にありました。
朝、駅へ向かって歩き出すと、通り道にあるのは町内会の集積所のほうなのです。
「わざわざ戻る人は、そりゃ少ないですね」
誰かがそう言って、部屋の空気が少しだけゆるみました。
それでも、時間外に出された袋の口が開いてしまえば、拾って回るのは真向かいの家の人です。
責める相手を探す場ではなくなったぶん、話は具体的なほうへ進んでいきました。
翌月の畳の部屋で
決まったのは、貼り紙を出すことと、当番のやり方を変えることでした。
収集日と出せる時間、それにマンションの置き場までの道順を、大きな字で書いて掲げます。管理会社にも一枚届けることになりました。
当番は一人ではなく、その週だけ二人で回すことにしました。朝の見回りを誰か一人に背負わせない、という意味でもありました。
翌月の総会で、同じ女性がまた手を挙げたとき、私は少し身構えました。
「今月、時間外に出ていたのは二回だけでした」
それだけ言って、彼女は座りました。前の月とは、顔つきがまるで違っています。
「貼り紙、破れたら私が直しますので」
「じゃあ紙、余分に刷っておきますね」
役員がそう返して、次の議題に移りました。撤去の話は、それきり出ていません。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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