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「先生が怒鳴られてる。来てくれない?」運動会前日の場所取りで騒ぐ男性が、私を見た途端に黙った理由

先生が怒鳴られてる来てくれない運動会前日の場所取りで騒ぐ男性が私を見た途端に黙った理由

前日の校門前

子どもの小学校では、運動会の前日に場所取りの順番を決めることになっていました。

午後2時から校門前で整理券が配られ、その番号順に観覧場所を確保できる仕組みです。

その年は、妻と、毎年一緒に運動会を見るママ友が並んでくれていました。

私は仕事が終わり次第、あとから合流する予定でした。

午後2時を少し過ぎたころ、妻から電話がかかってきます。

「先生が怒鳴られてる。来てくれない?」

声がいつもより硬く、電話の向こうからは男性の怒鳴り声も聞こえていました。

何が起きているのか分からないまま、私はすぐに車を出しました。

先生に詰め寄る男性

校門に着くと、整理券を配っている若い先生の前に人だかりができていました。

先生に詰め寄っていたのは、地域の集まりで何度か顔を合わせたことのある、地元企業の社長でした。

「毎年、うちは前のほうで見ているんだ。どうして今年は後ろなんだ」

先生は名簿を持ったまま、落ち着いて説明していました。

「午後2時から並んだ順番です。事前にお配りしたお手紙にも記載しています」

しかし、社長は納得しません。

「そんな細かい決まりは知らない。今までどおり融通を利かせればいいだろう」

先生が同じ説明を繰り返すほど、社長の声は大きくなっていきました。

周囲の保護者たちは、関わらないように黙って様子を見ています。

妻たちは午後2時から並び、2番の整理券を受け取っていました。

すると社長は、妻の手元にある整理券に目を留めます。

「それ譲ってもらえないか」

妻は突然の申し出に戸惑い、返事ができませんでした。

社長はさらに続けます。

「うちは親戚も大勢来るんだ。そちらは人数が少ないんだから、後ろでも困らないだろう」

一緒にいたママ友が、静かに答えました。

「皆さん、決められた時間から並んでいます。順番どおりでお願いします」

すると社長は、苛立った様子で一歩近づきます。

「少しくらい譲ってくれてもいいじゃないか」

間に入ろうとした先生にも、再び大きな声を向けました。

私は人の輪の外から、まっすぐ妻のところへ歩いていきました。

私を見た途端に止まった声

私は当時、地域団体の運営に関わっていました。

社長も同じ団体に所属していましたが、以前から強引な言動を問題視されていた人物です。

少し前にも、地域行事で周囲に威圧的な態度を取ったとして、団体の役員から注意を受けていました。

その話し合いには、私も運営側として同席しています。

私が妻の名前を呼ぶと、社長がこちらを振り返りました。

そして私の顔を確認した途端、張り上げていた声がぴたりと止まったのです。

「あ……お疲れさまです」

先ほどまで先生に詰め寄っていた人とは思えないほど、表情も声も変わっていました。

「いや、整理券を譲ってもらえないか、相談していただけでね」

私は言い争うつもりはありませんでした。

妻の隣に立ち、落ち着いて答えます。

「そうでしたか。ただ、学校が決めた順番なので、このままでお願いします」

社長は何も言い返さず、妻たちから一歩離れました。

周囲から、ほっと息を吐く音が聞こえます。

社長はしばらく黙っていましたが、やがて先生の前へ戻りました。

「さっきは大きな声を出して、悪かったね」

先生は少し驚いた様子で、「分かりました」とだけ答えます。

社長は残っていた整理券を受け取り、そのまま列の最後尾へ向かいました。

その後、こちらを振り返ることはありませんでした。

妻は手元の2番の整理券を見ながら、小さく息を吐きました。

大声で自分の要求を通そうとしていた社長。

しかし、自分が以前注意を受けたときのことを知る私の姿を見た途端、その勢いは消えてしまったのです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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