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「最近の若い人は、礼儀がなってないねえ」法事の席で嫌味を言う伯母。だが、別の親戚が一言で止めた瞬間

「最近の若い人は、礼儀がなってないねえ」法事の席で嫌味を言う伯母。だが、別の親戚が一言で止めた瞬間
座敷に並んだ折詰
祖父の七回忌には、親戚が二十人ほど集まりました。
読経が終わって座敷に移ると、折詰と煮物の鉢が膳の上に並べられていきます。私は末席で、従姉と一緒にお茶を配っていました。
「最近の若い人は、礼儀がなってないねえ」
そう言ったのは、上座の伯母です。
誰に向けたわけでもない、世間話のような始まり方でした。
「昔は、教わらなくても分かったものよ」
隣の叔父が曖昧に笑って、煮物に箸をつけます。私も湯呑みを置きながら、聞こえなかったふりをしていました。
名指しで止まった箸
話が受付のことに移ったとき、伯母がこちらをまっすぐに見ました。
「香典の出し方も、礼儀がなってない」
座敷の声が、すっと引きました。
私は袱紗を開いて、表書きを相手に向けて、両手で渡したはずです。何が違ったのかは分かりません。
「あなたも、気をつけないとね」
「…はい」
誰も口を挟みませんでした。
伯母に悪気があるようには見えません。
自分が正しいと信じてきた形を、そのまま人にも渡したいだけなのでしょう。
「昔はもっと、しっかりしていたのよ」
「今の人は、楽をしすぎ」
話は煮物が冷めるまで続きました。従姉が私の湯呑みにお茶を足して、そのまま黙ってしまいます。汁椀に張った膜を、私はずっと見ていました。
大叔母が置いた一言
そのとき、上座のいちばん奥で湯呑みが置かれる音がしました。
祖父の妹にあたる大叔母が、床の間の遺影を目で示します。
「今日は、兄さんの話をしにきたんでしょう」
とがめる響きはありません。煮物をすすめるときと変わらない、平らな声でした。
伯母の箸が、里芋の手前で止まりました。口を開きかけて、そのまま箸を置きます。
「……そうやねえ」
「兄さん、お饅頭ばっかり仏壇に積んで怒られとったねえ」
叔父が吹き出して、向かいの従兄弟が身を乗り出します。止まっていた話が座敷のあちこちで動きだし、伯母も湯呑みを持ち直して、その輪に入っていきました。
帰り際、玄関で靴を履いていると、伯母が私のところに来ました。
「次は、もっとちゃんとした格好で来てね」
会釈をして顔を上げると、下駄箱に手をついた大叔母がこちらを見ています。
「その子の喪服、今日いちばんきちんとしとったよ」
伯母は一度口を開いて、それから「またね」とだけ言って外に出ていきます。大叔母は私の腕を軽くたたいて、笑っただけでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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