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「公園で勝手に注意しないで!」スマホを見ていた母親。だが、別の親の正論で態度が一変

ベンチから動かない背中
半年ほど前、近所の公園へ行ったときのことです。
滑り台とブランコと砂場だけの、小さな公園でした。
砂場のそばのベンチに、母親が一人で座っていました。
膝の上でスマートフォンを両手に持ち、ずっと下を向いています。少し離れた遊具では、3歳くらいの子どもが一人で階段を上り下りしていました。
私は娘とブランコをこいで、そのあと砂場でトンネルを掘りました。
腕時計を見ると、公園に着いてから1時間近くが経っています。その間、ベンチの背中は一度も上がりませんでした。
「ママ、あの子ずっと一人だね」
娘がそう言ったころ、滑り台の階段には順番待ちの列ができていました。
やんわり声をかけたつもりが
列の途中で、その子が前の子の脇をすり抜けようとしました。
踏み板は狭く、下は硬い土です。手すりに掴まっていた子が体をよじって、片足が浮きました。
「危ないよ、順番だよ」
怒鳴ったつもりはありません。
私はいちばん近くにいた大人で、ほかに言う人がいませんでした。
その声で、ベンチが動きました。スマートフォンを握ったまま早足でやってきた母親は、階段の下で足を止め、私を見上げます。
「公園で勝手に注意しないで!」
砂場でしゃがんでいたお母さんたちが、手を止めました。ブランコの鎖の音だけが残って、あとは誰も何も言いません。私は口を開きかけて、そのまま閉じました。
ブランコの横から届いた声
そのとき、ブランコの柵にいたお父さんが、二歩だけ近づきました。声を張ってはいません。
「うちも見ていない時間がありますよ」
母親が振り向きます。
「だからうちの子も、知らない人に何度も声をかけてもらってます。お互い様というのは、そういうことだと思うんです」
母親の顔から、さっきまでの勢いが消えました。言いかけて、言葉を探すように口が半分開いたまま止まります。
砂場のお母さんが小さくうなずくのが見えました。
母親はスマートフォンをポケットにしまい、それきり出しませんでした。
「ごめんなさい、私が見てませんでした」
「いえ。危ないと思ったので言いました。それだけです」
頭を下げられても、気にしないでくださいとは言いませんでした。母親は滑り台の下まで歩き、階段を見上げて子どもに声をかけます。
「順番だよ。ママ、ここで見てるからね」
帰り際に振り返ると、その人はまだ滑り台の下に立っていました。ベンチは空いたままでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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